1986年12月19日発売(DOG)
複雑で深い3Dダンジョンを探索するRPG
魔洞戦記 ディープダンジョン(Deep Dungeon)はファミコンのディスクシステムで発売された3Dダンジョン探索型のRPGです。
発売元のDOGは当時のスクウェア(現:スクウェア・エニックス)が提唱してパソコンゲームメーカー7社によって設立されました。(開発はハミングバードソフト)
DOGはこのディープダンジョンをはじめ、それまでのファミコンゲームにはなかった渋めのキャラや美しく描かれたグラフィックを駆使しPC98などのパソコンゲームの雰囲気に近いファンタジーな世界観を取り入れたゲームを次々と発売しました。
このディープダンジョンはその後、同じくディスクシステムで2作目の「ディープダンジョンII 勇士の紋章」がリリースされ、その後はファミコンのロムカセットとしてスクウェアから3作目の「ディープダンジョンIII 勇士への旅」、アスミックからシリーズ最後の4作目の「ディープダンジョンIV 黒の妖術師」が発売されました。
なおディープダンジョンIII とⅣは戦闘にパーティ制を導入しています。
ディープダンジョンは後にパソコンでハミングバードソフトから発売された「ロードス島戦記」の基礎になった作品と推測されています。
(現在の権利はいずれも株式会社D4エンタープライズ)
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魔洞戦記 ディープダンジョンのストーリー
ドールの街の地下深くに潜んでいた魔王が復活し、魔物たちが地上まで押し寄せエトナ姫をさらってしまう。
百戦錬磨の勇剣士であるルウをはじめとする幾多の冒険者がエトナ姫救出の為、地下に潜るが誰一人帰ってこなかった。
そして勇剣士ラルもエトナ姫の救出と魔王の討伐を目指して地下に挑むことになる。
魔洞戦記 ディープダンジョンのシステム
ゲーム開始時に地上で王様からGOLDをもらったあとは武器や防具を商人から購入して準備を整えます。
基本的に装備は一部を除いて買うしかないのでお金が貯まればその都度戻ってくる必要があります。
そしていざ!エトナ姫を救出する為にダンジョンに降ります。
地下迷宮は複雑で、特定のドアを開けるといきなり強敵が襲ってくることもあるので緊張が走ります。
色々な場所を隈なく探索して地下に降りる階段を目指していきます。
ちなみに「とびらをけりあけなかにおどりこんだ」は知る人ぞ知るこのゲーム独特の言い回しです。
ダンジョンを探索していると稀に先に潜っている冒険者に遭遇することがありヒントを得ることができますが、誤って戦ったりすると大変なことになります。
ヒントは壁にも書かれてる場所があります。
なお、地上のお店で「すいしょう」を購入すれば簡素な地図が、「コンパス」を購入すれば現在地の正確な情報が把握でき、二つ揃えることで「地図」として完成されます。
魔洞戦記 ディープダンジョンの戦闘
ディープダンジョンの魔物とのエンカウントの仕方は様々です。
ダンジョンを冒険中やとびらをあけてなかにおどりこんだり、何もしないで待ってたり、時には調べたごみの山のからも襲ってきます。
戦闘は1対1のコマンド形式で交互に攻撃を繰り返します。
特定のアイテムを使用することで魔法を唱えることもできますが、このゲームはMPがないので代わりにHPが消費します。
もちろん、ダンジョンの下へ下へと降りるほど強敵が出現してきます。
この地下5階ではダンジョン内でありながら川が流れていて船を手に入れる必要があります。
川岸の向こうに待つものとは…?
このように装備を強化し、レベルを上げて地図を頼りにダンジョンの下へ下へと進んでエトナ姫の救出に向かいます。
魔洞戦記 ディープダンジョンの感想
項目 | 評価(5点満点) |
---|---|
システム | ★★ |
熱中性 | ★★★ |
キャラクター | ★★★★ |
音楽 | ★★★★★ |
難易度のバランス | ★★★ |
3Dダンジョンのゲームというは好みが大きく分かれるかと思います。
拒絶反応がある方はまずディープダンジョンはあわないかもしれません。
ファミコンではディープダンジョンが出た翌年の「女神転生」が出るまではディープダンジョン以外に3Dダンジョンを実装したゲームをあまり見かけませんでした。
(一部ではポートピア連続殺人事件の地下迷宮のようなのもありましたが。)
このゲームの一か月後にはドラクエⅡが発売されフィールド型RPGがさらに大ブームとなり、各メーカーが続々とこのジャンルに参入してきました。
ゼルダの伝説シリーズの2作目となる「リンクの冒険」も前作とガラリと内容が変わり、街でヒントを得たりフィールド移動からのエンカウントを取り入れたりと少なからず時代の影響を受けてた印象です。
そんな中での異彩を放たのが3DダンジョンRPG・ディープダンジョン。
ファミコンは大人も遊んでましたが、ユーザー層は10代の子供世代が中心で同じRPGでもドラクエⅡのように仲間が増えてキャラクターが並んで草原を歩くような見てて明るく賑やかなフィールドマップ型に対して、質素で配色が乏しく難しそうな迷宮を彷徨う3Dダンジョンのゲーム…。
当時はDOG初参入というのもありましたが、このゲームは人気があったとはえいず、マイナー感は否めず、学校のクラスでディープダンジョンを所持しているのは私以外は一人しかいませんでした…。
任天堂がディスクシステムで出すゲーム出すゲームがどれも大人気の中、クリスマスプレゼントにこのゲームをチョイスした私。
ディスクシステムのゲームは2500円ばかりでしたがDOGのゲームは大きなパッケージと分厚いマニュアルがついて3000円以上しました。
(記憶が曖昧ですみませんが普通のより高かったのは事実です。)
ゲームだけでなく、大きなパッケージや一冊の本とも思えるマニュアルなど、パソコン寄りの印象で小学生くらいじゃ手が色々と出しづらかった印象です。
正直、「魔洞戦記 ディープダンジョンは名作か?」と聞かれれば「NO!!」と即答するかと思います。
ただこのゲームの魅力はコミカルなキャラの多いファミコンにはなかなかないパソコンゲームに近いどっしりとした重厚な世界観だと思います。
1人で複雑な地下迷宮に潜り、道に迷いながらもヒントを見つけ、不気味な魔物との戦闘を繰り返し下の階への道を探していく。
稀に見つけるゴミの山を漁ると出てくるのはお宝か魔物か…。
そして中盤以降では「あの人」が装備してるはずの盾や剣に襲われたり!
いったい何が起こっているのか?
そしてラストの衝撃!!
ディープダンジョンには独自のスリルや面白さは間違いなくあると思います。
悪い所をいえばイベントが少なくエンカウント率が低いところです。
敵は固定場所以外では決して出現率は高くないですし、さらに戦闘中では敵も自分も攻撃ミスが目立ちます。
(裏技で必ず「必殺の一撃」を繰り出すことができましたが。)
ただ、ドラクエなど他のRPGと違い、放置してても敵が出現するのは驚きました。
本当にこのゲームは色々と惜しいんですよね…。
ただ3DダンジョンのRPGといえばすでに「ウィザードリィ」がありましたし、発売の翌年には魔物の合成が楽しめる「女神転生」も出ましたからね。
その後、私はPC98を購入して「ダンジョンマスター」を遊んだので様々な面でディープダンジョン以上の衝撃を味わってしまったのもあります。
ただ、BGMはファミコンゲームでトップクラスと思うほどどのフロアもラスボスも非常に素晴らしいです。
ちなみに地下5階のBGMは後に発売されたファミコン版「オホーツクに消ゆ」の夕張炭鉱の前半部分のBGMが激似だと思いましたが、私の周りではディープダンジョン自体知ってる人がほとんどいませんでした…。
私はディープダンジョンは2作目までしか遊んでませんが、それでも4作目まで発売されたのはコアなファンを獲得していたのかもしれません。
なお「ファイナルファンタジータクティクス」はクリア後に「ディープダンジョン」というエクストラステージが出現してやり込むことができます。
またファイナルファンタジーXIV(FF14)のバトルコンテンツの一つとしても「ディープダンジョン」があるようです。
いずれも意図的にその名前を使ったか、オマージュの意味があるのか定かではありません…。
リメイクを期待したいところですがそういった形で「ディープダンジョン」が蘇っているのであれば、残念ながら今後リメイクされることは期待できそうにないです。
現行の機種でイベント増やしてアレンジすれば面白くなるポテンシャルは随所に秘めてると思いましたが…。
スクウェア・エニックスがファミコン時代にパソコンメーカー数社とともに作り上げた「ディープダンジョン」が気になる方は遊んでみてください。
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