1990年4月27日発売(スクウェア)
ファイナルファンタジーⅢはファミコンで発売されたシリーズ最後の作品となります。
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ファイナルファンタジー3はファミコンRPG最高峰の完成度とシリーズ一の難易度
今ではドラクエと並ぶスクウェアエニックスの大人気RPGシリーズを築いたファイナルファンタジーの第3作目のご紹介とレビュ―です。
私はファミコン版とDS版を所持しておりますが、後にPSP版も発売してます。
ドラクエはシリーズが進んでも基本システムは変わらず、ひたすらドラクエ・テイストを崩さず作り上げてきた印象ですが、FFはシリーズごとに常にシステムを変えたり新しい試みを追加していく印象があります。
ファイナルファンタジー3(FF3)の新要素
ファイナルファンタジーⅢで前2作から追加され新要素は主に以下の通りです。
・ジョブチェンジシステムを採用
・「オーディーン」や「バハムート」などを呼び出せる「召喚魔法」が本作から登場
・多くのジョブを変えることで装備などの荷物が膨大な数になるため「デブチョコボ」に預けられるようになる
・ストーリー上、戦闘に参加しない「同行キャラ」がパーティに加わり、ともに旅に出れる
・船や飛空艇の能力が細分化され、速度や移動できる場所が異なる
ファイナルファンタジー3のジョブチェンジシステム
ファイナルファンタジーⅢ最大の特徴は「ジョブチェンジシステム」の搭載にあります。
キャラの職業を変更する「転職」は他のゲーム作品でもいくつもありましたが、このジョブチェンジシステムはキャパシティポイントを消費することでいつでもどこでもジョブを変えられます。
最初のすっぴん状態の「たまねぎ剣士」を含め、おなじみの「戦士」や「黒魔術師」、多くの新ジョブとあわせて最大22種類のジョブへの変更が可能となりなります。
当時、ファミコンの性能を考えるとはかなり思い切ったことをしてくれました。
もちろんジョブごとに長所や短所があり、戦闘時のコマンドも異なります。
ストーリーが進めば変更できるジョブが徐々に増え、物語の進行にあわせてジョブを変える必要も出てきます。
魔法にしか効かないボスには黒魔術師を多めに入れたり、弱点を変えるボスには「学者」で弱点を見抜いたりと、ジョブの特性を活かした戦い方が楽しめます。
単調なレベル上げ作業に別のジョブの能力を付与する楽しさを教えてくれたファイナルファンタジーⅤの「アビリティシステム」は、このⅢの「ジョブチェンジ」がなければ生まれなかったといっても過言ではありません。
オリジナルのファミコン版が出てから長い年月が流れ、ファイナルファンタジーもどんどんナンバリングを増やすも、Ⅲだけはなぜか一行に他機種への移植がありませんでした。
後に出たⅣ~Ⅵでさえベタ移植とはいえPSで出たにも関わらず。
そのあたりは実際の所、開発の事情があったのですが、16年経ちようやく待望のリメイク版がDSで発売されたわけです。
ただ、このリメイクはI、Ⅱ同様、スーファミテイストのリメイクになると思いきや装いがガラッと変わった驚きの3D仕様となってました…。
ファイナルファンタジー3の評価と感想<ややネタバレあり>
項目 | 評価(5点満点) |
---|---|
システム | ★★ |
熱中性 | ★★★★★ |
キャラクター | ★★★★ |
音楽 | ★★★★★ |
難易度のバランス | ★★ |
ファミコンの性能でこれだけの物を作り上げたのは本当にすごいことですし、個性豊かなジョブを22種類から選べるジョブシステムはかなり圧倒されました。
ジョブを変え、乗り物も変え、大陸の外に広がる新たな世界に進んで行く壮大なストーリーはファミコンのRPGとしてまさに最高峰といっていいゲームで非常に面白いのは間違いないです。
ただ、「システム」と「難易度のバランス」は迷わず普通以下にさせていただきました。
もちろん、理由はあります。
それは戦闘時の「にげる」の仕様が最悪だからです。
まず「シーフ」の専用コマンドの「とんずら」以外、ほとんどまともに逃げることができません。
最初から成功すること自体、珍しいです。
さらに、逃げる(離脱)が成功する前に敵からダメージを受けると「にげごしでぼうぎょできなかった」ことになり、4倍のダメージを食らいます。
魔法使い系は後列に下げてなければ一撃死が当たり前です。
戦士系でさえ、瀕死になるのも珍しくありません。
なぜ、こんな糞仕様にしたのか…。
いや、そりゃリアルな戦闘でも後ろから攻撃まともに食らえばダメージはでかいでしょうけど…。
このにげることの不便さがこのゲームをより過酷にし、辛い展開へとさせています。
その為、仮にピンチになってもプレイヤーはほぼ失敗する「にげる」を選択することは考えなくなります。
必然的に、ダンジョンの探索も最後にボスがいると予想はできるものの、逃げないでほぼすべての雑魚敵を相手にしなければいかず、かなり時間がかかりますしMP切れなどの心配も出てきます。
しかも一つ一つのダンジョンも長くエンカウント率もイヤになるほど高い!!
セーブなしで2時間くらいかけて進んでボスに負けたらその日はやる気を失くしてしまうレベルです。
それが関係してかネット上でもFF3の話題の一つとしてラストダンジョンの過酷さがよく挙げられます。
ラストダンジョンと思われる長い塔を上り、ラスボスと思われる敵を倒し、ようやくクリアか…、と思ったらさらに真のラストダンジョンに強制移動させられます。
そしてルート上、長い長い通路を進まなければならず、当然、高いエンカウントと逃げられない戦闘をひたすら続けるはめになります。
しかもこのマップではセーブポイントなし。
(恐らくセーブができても敵が倒せなくて進めなかったら、脱出もできないので進行不能になるからだと思います。)
さらに4体いる中ボスの1つのアーリマンも凶悪!!
最悪、1ターン目にメテオを使われ、2、3人軽く逝きます。
これは完全に運です。
ちなみに私はラストダンジョン前は以下のように対処しました。
・エリクサーなどは温存しておく
・塔のボスを倒す前に宝を回収して戻ってセーブする
・キャパシティポイントは常に貯めておき、いつでもシーフに切り替えれるようにしておく(全員後方でダンジョンをとんずらで進むため)
・4体の中ボスはアーリマンから戦う
そしてファミコンをプレイしてた世代の方にはわかると思うんですけど、初期の赤白の本体は非常に不安定なのです。
本体に少しでも触れたり、ちょっと動かしただけで画面が突然固まったり、ザ~、と砂嵐になったことありましたよね?
FF3で2、3時間セーブできないといつそうしたトラブルが起きないか恐怖でなりません。
つまりゲームとしては「難しい」というよりも、「面倒、辛い」という印象の方が強いです。
細かいことでいえば、魔剣士の魔剣や魔法以外で攻撃すると増殖する敵が出てくるダンジョンもありますが、まだ魔剣士にジョブチェンジできない段階で出てくるなんてひどすぎます。
その敵の説明はあとで出てくるので初回じゃまず理解不可能です。
あの辺の敵は未知の恐怖を感じました。
まあ考え方によっては、そうしたことも含んで終始緊張感を味わえるのもある意味このゲームの良さなのかもしれません。
さらに驚いたのが「にげる」の仕様はDS版でも変わってなかったことです。
まず直すのはここじゃない?と思ったのですが…。
ただファミコンでは別格だった「忍者」や「賢者」もDS版ではそこまでチート性能じゃなくなり、ジョブ全体のバランスはいくらかよくなってます。
色々書きましたが、音楽はファミコンゲームトップクラスに素晴らしいです。
通常マップ、浮遊大陸を抜け広大な海を飛空艇で彷徨う曲、沈没船、中ボス、クリスタルタワー、好きな曲を挙げたらきりがないくらいです。
私はファミコン版でも5回くらいクリアしてますので、システムに不満はあるものの、それ以上にこのゲームの長所が多いので何度も遊びたくなるほどのゲームなのだと思います。
気づけば赤文字ばかりのページになってましたが
未プレイの方は、一度、過酷なファイナルファンタジーⅢに挑んでみてください!
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