1987年1月14日発売(任天堂)
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出典:amazon.co.jp
ガラリと変貌を遂げた「ゼルダの伝説」の続編
リンクの冒険はファミコン用ディスクシステムのソフトとして発売され爆発的なヒット作となった「ゼルダの伝説」の待望の第二弾です。
パッケージやタイトルなどにも「THE LEGEND OF ZELDA 2 リンクの冒険」と表記されています。
ゼルダの続編として期待は高まったのは間違いないですが、ゲームはトップビューからサイドビューへの戦闘に切り替わり、ゲーム性を含めその他もろもろ大きく変貌を遂げました。
リンクの冒険のストーリー
魔王ガノンは少年時代のリンクに倒され、ハイラル王国に「力のトライフォース」と「知恵のトライフォース」が戻り平和が訪れたかに見えたがその後もガノンの残党は依然残って暴れまわっていた。
リンクが16歳に成長した頃、北の城で深い眠りについている初代ゼルダ姫と出会うが姫を救うには「力」と「知恵」の他に「勇気のトライフォース」も手に入れる必要があると知る。
そして死の谷の大神殿に隠されている勇気のトライフォースを求め旅立つことになるが、大神殿に入るためには各地の6つの神殿の奥にある石像にクリスタルをはめ封印をとく必要があるのだった。
リンクの冒険のシステム
リンクの冒険のメインマップはRPGのようなトップビューとなり、前作のように切替型の画面のあらゆる場所に敵が配置された時と大きく異なります。
今作はマップ上を歩くことで敵のシンボルが出現し、接触することでサイドビューの戦闘シーンに切り替わります。
マップ上の街や洞窟、神殿なども中に入れば同様にサイドビューとなります。
リンクの冒険の街の会話と魔法の習得
町の中では会話することで冒険に関するヒントがもらえたり体力を回復できたりします。
聞き逃すとゲーム進行に行き詰まる重要なことが多いのでメモなどしておくことが必要です。
また困っている人の手助けをすることで家に招いてもらい、中で魔術師から魔法を教わることができます。
余談ですがファイナルファンタジーの一作目のある町にはリンクの墓があります。
これらはメーカー同士のリスペクトと捉えるべきなのでしょうか??
リンクの冒険の戦闘とレベルアップ
マップ上で白いシンボルと接触すると戦闘シーンに突入し、青いシンボルだと白よりも若干強い敵が出現します。
シンボルの接触した地域や地形により出現する敵も異なってきます。
戦闘では横5画面分くらいの戦場の中央にリンクは配置されて戦うことりになります。
倒した敵の分だけ経験値が入りますが全て倒しても倒さなくても画面の端に移動すれば戦闘が終了となります。
ゲームを進めて行くと剣士から下突きやジャンプ突きの剣術を教えてもらうことができ攻撃の幅が広がります。
このテクニックは後半の神殿や大神殿を攻略する際に必須になります。
戦闘を重ね、右上の「NEXT」の規定値に経験値が達するとATTAK、MAGIC、LIFEのうち一つ選んでレベルを上げることができます。
MAGIC:MAGICゲージが一つ増え、魔法使用時の消費MPが減少する。
LIFE:LIFEゲージが一つ増え、敵から受けるダメージが減少する。
このレベルの振り分けの仕様はリンクの冒険特有で
ゲームオーバー時には一番低いステータスに統一されてしまいます。
例)ATTACK:5、MAGIC:3、LIFE:2でゲームオーバーになると全てレベル2になる。
なのでレベルは偏らずに均等に上げていくことをおススメします。
なおレベルの効率のいい上げ方を下の「リンクの冒険の感想」に記載しておきます。
リンクの冒険の魔法
リンクは全8種の魔法を習得することができます。
魔法によって消費MPが異なりますので常に状態を把握しておくことが必要です。
なお敵を倒したり神殿の石像を攻撃することで稀にマジックのつぼが出て回復することができます。
JUMP:一時的にジャンプ力が上がる。(SHIELDとは併用不可。後に使った方が優先される。)
LIFE:体力を回復する。
FAIRY:妖精に変身し空中を飛べる。
FIRE:ファイアーボールを放てる。
REFLEX:盾に力を与え、普段防げない強力な攻撃を防いだり魔法攻撃を反射する。
SPELL:魔物の「ボト」に変身する。また特定の場所で使うと…。
THUNDER:画面内の敵に大ダメージを与える。
敵によっては特定の魔法を使用しないと倒せないのも存在します。
リンクの冒険の神殿(ダンジョン)
ハイラル王国には6つの神殿が点在し、エレベーターで降りて神殿内を探索します。
中は複雑な迷路になっていて鍵のかかった扉も多く存在するので鍵を見つけ、アイテムを入手し、ボスを倒してクリスタルをはめることが大まかな流れになります。
今、気づいたんですけど神殿とはいっても舞台は地下なんですね…。
神殿内部では恐らく本ゲーム最初の強敵になるのはアイアンナック。
盾を上下に動かしリンクの攻撃を阻みます。
アイアンナック以外にも前作「ゼルダの伝説」で2頭身で登場した敵キャラが外見も攻撃方法もグレードアップして厄介な相手となって登場します。
第一の神殿のボスの「マズラ」。動きは単調なのでそんなに怖い相手ではありません。
ちなみに「マズラ」は「馬面(うまづら)」からきてるそうです。
そして各神殿のボス撃破後はその奥に進んでクリスタルを全てはめ大神殿を目指します。
険しい道を乗り越えて辿り着いた大神殿の最奥に眠る勇気のトライフォースとともに待ち受けるのは…。
リンクの冒険の感想<注意事項あり>
項目 | 評価(5点満点) |
---|---|
システム | ★★★ |
熱中性 | ★★★★★ |
キャラクター | ★★★★ |
音楽 | ★★★★ |
難易度のバランス | ★★ |
ゼルダの伝説の第二弾として発売されたものの操作する主人公はリンクですし、出てくるアイテムや敵キャラもお馴染みのものが多いですが、ゲームとしてはまったく別の形式と思って下さい。
おそらくこれ以降のスーパーファミコンや携帯機の続編は「ゼルダの伝説シリーズ」は第一作目の「ゼルダの伝説」ベースで進行してると思われリンクの冒険のようなシステムの続編は出てないかと思われます。
ちなみにストーリーは今回の記事で調べて今になって詳細を理解しました(苦笑)。
ただゼルダシリーズで異彩を放つリンクの冒険は決して人気がなかったというわけではありません。
このゲームの下突きや上段突きの爽快さ、敵の攻撃をかわしたわずかなタイミングで攻撃など、ゼルダの伝説とはまた違ったサイドビューならではの高いアクション性が楽しめます。
魔法も少ないですが便利な物ばかりでどれも使いたいものばかりで迷うほどフル活用したくなります。
レベルアップ時のステータスの振り分けを考えたり、レベルアップで覚えるのではなく人を助けることで習得できる魔法、それまでのゲームではなかった敵の魔法をはね返しての攻撃、広大で魅惑的なBGMが流れる大神殿の探索、など私のようにこのリンクの冒険でしか味わえないオンリーワンの魅力を知ってる人は多いはずです。
ボスもあまり他のゲームでは見かけないようなデザインも多く、ラスボスは「そう来たか!」と当時はぶったまげたものでした。
ただアクションと謎解き要素は若干難易度が高いです。
終盤が近づくにつれ、敵の攻撃が劇的に厳しくなるのは間違いないですが問題は謎解きの方です。
前作の「ゼルダの伝説」でもそうでしたがこの時代はいくらか進行に関して意地悪というかノーヒントの部分もわりとあってプレイしてる本人がそれに気づいて行動に移せるかどうか問われる場面もあります。
ネットのない時代には友達との情報交換は本当に貴重でゲームだけでも十分コミュニケーションが取れてました(苦笑)。
忘れがちですが町でのBボタンは「話す」だけでなく「その場を調べる」こともできます。
また建物が他の町と若干違う造りの町もあります。それは何を意味してるのか…などなど。
最後に超重要事項。
なんとこのリンクの冒険はハマリが存在し、ゲームの進め方により進行不能になる場合があります。
「まさかあの任天堂が!」です。
昨今のゲーム業界は当時よりも競合も激しいせいか、そうしたことはあまり聞かなくなり最悪アップデートなどで対応できますがファミコン時代では取り返しのつかないことが稀にありました。
ちょっと通常では入る必要のない障害物に何かの拍子に入ると抜け出せなくなったり、限られた操作でイベントが発生しなかったりなど、タイムオーバーのないゲームではリセットボタンを押すしかないとか。
リンクの冒険では神殿にクリスタルをはめて外に出ると神殿は岩になって二度と入ることができなくなります。
これはつまり、中で重要なアイテムを取り逃すともう神殿には入れないのでゲームが進まなくなってしまうのです!
(ディスクシステム版のみで確認)
その最悪になるであろう状況をメーカーは知ってかどうか、ある町の人が「その神殿で見つけた鍵はその神殿内で必ず使いなさい」と言ってくれましたが最初はその意図がわかりませんでした。
つまり「鍵があまるということはまだ行ってない場所があり、獲ってないアイテムもあるので必ず見つけなさいよ!」ということです。
まあこのゲームに慣れてる方は神殿のボスを倒しても奥の石像はジャンプで避けてその場でクリスタルをすぐにははめずに外に出ると思います。
なぜなら後半はレベルを上げる為に敵と戦い続けるのが本当に大変になるし、途中で死ぬと低いステータスのレベルに統一されるという大きなデメリットがあります。
そこでレベル6、7くらいなってからのレベル上げは過去にボスを倒した神殿に戻ってクリスタルをはめるだけで一気にレベルを上げることができるのでその方が効率いいのです。
リンクの冒険は「神殿内では必ずアイテムを見つける」ということだけを気をつけていただければ、あとは何も気にせず時間を惜しまずプレイしたくなるゲーム展開と神殿探索や戦闘などが楽しい何度も遊びたくなるゲームだとわかっていただけると思います。
私は数年周期で遊んでるのでまた近いうちにリンクの冒険を起動することがありそうです。
ゼルダの伝説(FC版)
任天堂の代表作の一つ、「ゼルダの伝説」のシリーズ第一弾はファミコンのディスクシステムの記念すべき第一作として発売されました。
ROMカセットからディスクカードになり、完成された世界観での謎解きや迷宮探検などの冒険は新しい波を感じさせるゲームとなりました。(18/03/25)
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