閃の軌跡Ⅲ(PS4版)

2017年9月28日発売(日本ファルコム)

閃の軌跡Ⅲ

学院生の成長を描く壮大なストーリー

「英雄伝説・閃の軌跡Ⅲ」は日本ファルコムの大人気RPG「閃の軌跡」シリーズの3作目です。
2018年の9月27日にはシリーズ最終章の「閃の軌跡Ⅳ -THE END OF SAGA-」が発売されました。

閃の軌跡Ⅲのシリーズの位置づけ

閃の軌跡シリーズとしては3作目となりますが、遠縁の元祖はPC時代のドラゴンスレイヤーシリーズになります。

ドラゴンスレイヤーの6作目が「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」というタイトルで、そこから「英雄伝説シリーズ」が派生し、英雄伝説Ⅰ、Ⅱが第一期、Ⅲ~Ⅴが第二期、そして第三期と呼ばれるのが「軌跡シリーズ」になります。

さらにその「軌跡シリーズ」は英雄伝説シリーズの6作目として「空の軌跡シリーズ」、7作目に「零の軌跡シリーズ」が該当し、8作目がこの「閃の軌跡シリーズ」ということになります。

つまり、今作はドラゴンスレイヤーシリーズの6作目英雄伝説シリーズの8作目閃の軌跡シリーズの3作目ということになります。

ドラゴンスレイヤー英雄伝説

…なんだかよくわかりませんね、私もです(苦笑)。
もちろん、ここまで知っておく必要はないですがこんな複雑な位置づけのゲームがかつてあったろうか。。

キャラクターの多さ、複雑な人間関係や前作からのストーリーの流れもあるので、閃きの軌跡Ⅲでは「人物紹介」や「あらすじ」やで把握、確認することができます。

ちなみに私は英雄伝説シリーズからは全てプレイしていますが、「英雄伝説Ⅱ」は現在手元にはなく、「空の軌跡the 3rd」は所持こそしていますがこれだけ未クリアです。

ストーリー

トールズ仕官学院を卒業したリィンは新たに開設されたトールズ仕官学院・第二分校の教官になる。
そこで自分が仕官学院時代に在籍していた<特務科>Ⅶ組と同じように特務活動をする目的とする「新Ⅶ組」を受け持ち、生徒を指導していく立場となる。
その後、生徒とともに任務をする中、かつての旧友や宿敵と再会をはたしていくことになる。

キャラクター

前2作同様、主人公のリィンを操作して主にⅦ組の生徒とパーティーを組みます。
Ⅶ組は実直なクルト、警察学校から編入したユウナ、そしてかつて黒兎としてリィンの前に立ちはだかったアルティナ。
後にどこか謎を秘めてるアッシュとミュゼが加わります。

閃の軌跡Ⅶ組集合
かつてのリィンのⅦ組の仲間はもちろん、皇族、政府関係者、貴族、解放戦線、結社などほぼ全員、さらに零の軌跡シリーズや空の軌跡シリーズの一部のキャラクターなど、かなりの人数のキャラクターが出演しています。
さらに今回もⅦ組以外の生徒の一人一人に名前や設定があり、サブイベントがそれぞれ用意されています。

戦術オーブメント・ARCUSⅡ

第1作、第2作のARCUSの発展型のARCUSⅡは各メンバーが所有し、同様にクォーツという結晶をはめることにより、キャラクターの能力を上げることができます。
攻撃力を上げたり、回復役には防御力やEPを上げたり、アーツという導力魔法などお好みでセットして好きなようにカスタマイズができます。
複雑なだけど工夫次第で戦闘を有利に進められるのが面白い所ですね。

戦闘システム

前作までは敵のバランスを崩すことで「追撃」によりバトルポイント(BP)を貯めて、コンビネーションや集団での同時攻撃が可能でしたが、今作はさらにコマンド前にBPを消費してブレイブオーダーも使えまるようになります。
戦闘中に設定されたオーダーを使えばパーティー全体の攻撃力を上げたり、EPを回復したりなど臨機応変に戦法を変えて有利に進めることができます。

閃の軌跡Ⅲブレイク状態
また今作は敵にダメージを与えてブレイクゲージを減らすと動けなくなり、この「ブレイク状態」の敵に攻撃を加えると必ずバランスを崩し、追撃でBPを貯めることができ、通常の攻撃よりも高いダメージを与えることができます。

今作はこのオーダーとブレイクの使いどころが戦闘の流れを大きく左右します。

豊富なやりこみ要素

過去のシリーズでもその豊富なやり込み要素がありましたが、今回も多数用意されています。
お馴染みの周りの仲間との交流イベント、街の人から依頼されるサブイベント、釣り、料理のほかにヴァンテージマスターズ(VM)というカードゲームなどあります。
他にもかつての同級生からのアークス通信を使った依頼もあります。
本編以外に一つ一つこなしていくだけでも膨大な時間を要しますが全てこなす必要はありません。

私の初回プレイ時間は約120時間でした…。
トロフィーコンプは相当な時間や労力を費やしますがそれだけじっくりやりこみながらゲームを長く楽しむことができます。

 

項目 評価(5点満点)
システム ★★★
熱中性 ★★★★★
キャラクター ★★★★
音楽 ★★★★
難易度のバランス ★★★

総評<ややネタバレあり>

今回は前作までの話の流れを含んだシリーズ3作目というとろこで、思うところが非常に多かったので総評とはいうものの一部の項目別に感想を書かせていただきます。
初めに断っておきますが私は英雄伝説はすべてプレイするほど好きです。
次回のシリーズ最終作も出るので当然買います。

それだけ好きなシリーズでも今作は設定や演出に不満点がいくつかあったのは事実です。
褒めるだけでは批評をする意味もありませんから…。

そのいくつかをご紹介します。

街の人との会話がしんどい

みなさん、どこまでやりますか?て聞きたくなるレベルです。
普通の街を歩いてる人や店の中でも人がそれなりにいて、ゲーム内の時間帯や状況が変わると一部の人の話す内容が変わります。自由行動日も同様です。
それによってサブイベントが発生したり隠しアイテムをもらえたりするので面倒とは思いつつも、会話変化の確認で2回目、3回目と全ての人に話をしていました。

途中までは。

中盤以降は訪れる街も巨大になり、クロスベルや帝都などは5、6エリアに別れてて話せる相手が100人くらいいます。(正確には数えてませんが)
いや、本当に面倒くさい!と、私は街を周る作業が苦痛でしかありませんでした。
「一度は」話しますけど、以降は状況が変化してからの会話確認は気が向いた時しかやりませんでした。

閃の軌跡街
あと図書室の書籍類も、まともに全部読んでだらすごく時間かかるので今回は全く読んでません。私には時間の無駄に思いました。
会話や読書だけでその日、ゲームできる時間がなくなってしまったら「あ~、面白かった」と、私には思えません。

この会話変化の面倒くささはドラクエ11の記事でも触れましたが、同等か、それ以上に感じました。
街や建物が広い分、こちらの方が大変かもしれません。
シリーズを追うごとに人数や会話のボリュームが増えていくのはしんどいです。

会話も長くなかなかセーブできない

とにかくゲーム中はストーリー中の会話が7割、必要と思える戦闘が3割くらいの印象です。
しんどかったボス戦を終えて、セーブせずにちょっと先に進んだら強制的に会話が始まってしまい、そこから1時間くらいセーブできないことが何度かありました。

 

パターンが決まってるボス戦ばかり

ボスのタイプは大きく分けると人型、魔物、メカです。

戦闘はブレイブオーダーという存在のせいで、オーダー、ブレイク、合間にSクラフトを使う流ればかりです。
アーツ系は強力だけど駆動時間やブレイク頻度を考えるとクラフトがらみの小刻みでの攻撃の方が明らかに効率よくバトルポイントが貯まるのでアーツはあまり出番がないです。

しかもボスのほとんどがHPをある程度削ると覚醒して回復し、さらにパワーアップします。
どいつもこいつもワンパターンです。
怖いのは初見殺しの状態異常攻撃だけ。
二つ名を持ってるような人間キャラの敵はダメージを与えすぎると突然、Sクラフトを使ってくるのでちょっと厄介です。
ろくに対処してないといきなり放たれ一撃で全滅するという理不尽さは今作も健在。

ユーザーに求められてるか甚だ疑問な騎神戦

1作目の終盤で突如ぶっこんできたロボットバトル。
今まで育てたキャラはなんだったのか…、とさえ思います。

一見、戦略が必要そうなこのバトルも通常のボス戦同様、戦い方は決まってしまいます。
通常のクラフト消費は控えめにして敵が駆動準備に入ったら確実に解除をし、自機のHPが減ったら回復し、BPをマックスまで貯めて協力を使用。
序盤だろうが終盤だろうがやることに大差はありません。
どんな敵でも同じです。
気をつけるのはHPが0にならないこと、駆動解除や回復のタイミングがずれないようにするだけ。

このバトル、一作目から評判いいのでしょうか??

ボス戦終了後にあきれるほど何度も同じ演出を使う

今作で一番ひどいと思ったのはここ。

中ボスを倒しても常に詰めの甘いリィン達は完全にとどめはさしません。
バトル終了後に相手はすぐ息を吹き返し、覚醒してパワーアップして…(またやるのか…)と、思わせておいて「その必要はないわ!」と、毎度のようにどこからか声が聞こえ援軍キャラが来て、瞬殺してしまう。
アホか、というくらい毎回こんな感じなのでゲームの早い段階で(どうせまた誰か出てくるんだろ)とイヤでもそう思うようになりました。

またボス戦後、カメラアングルが上方に切り替わり、建物や崖の上からリィン達の様子を見てる人がよくいる。

この2つの演出はあきれるほど多かったです。

キャラクターについて

最後にキャラクターについて人数が多いといいましたが、それはつまりなんでもかんでも詰め込み過ぎ。
せっかくⅢでリィンが教官となり新しいⅦ組中心で行けばよかったのに、旧Ⅶ組も普通に入ってきて存在感を出してきます。(3作目なのでさすがに再開しても懐かしさはないし、もういいだろ…、と思うのですが。)

その上、全2作のほとんどのサブ、敵キャラばかりか「零の軌跡」や「空の軌跡」などのキャラも巻き込み、違う作品ですが同じ世界設定で進行している話の構成上、なんでもかんでも「出してやろう」とギュウギュウに詰め込み過ぎてわけがわからなくなります。

混雑

しかもプレイキャラの立場や境遇も家族が貴族やら軍の幹部やら師範代やらなにやらで比較的一般人に近いのはユウナくらいしかいません。
サブキャラはやたら二つ名を持つ強設定キャラばかりでかえって霞んでしまいます。
生身で騎神に立ち向かうような東方不敗かよ!といいたくなるようなキャラがゴロゴロいます。
しかも生徒もそうですが半分以上が女性キャラですよ???

一部の深夜アニメのように「女の子ばかりの世界」とかならまだわかりますが、「閃きの軌跡」の世界は共学だし、軍や裏組織の上のポジションや出てくる敵キャラも半分以上が女性ばかり。

いえ、これは女性が上か下かの差別の話ではなく、ギャルゲーかよ?と思うほど開きなおってるかのようにやたらストーリー上の目立つポジション、強い敵に美少女キャラばかりを置くファルコムさんの方向性に残念に感じてるところなのです。その辺のバランスを度外視してでも一部の層に媚びてるとしか思えません。

実際に主人公のリィンは本当にありがちなラノベ系ハーレムアニメの主人公のまんまです。
零の軌跡のロイドもキャラは似ています。ていうかほとんど大差ありません。同じ村の住人です。
とにかく出てくる女性キャラはいきなり抱き着いてきたリ、キスしてきたリみんなリィンに好意を寄せてます。
少なくとも空の軌跡シリーズまではそういうフェロモンスキルは感じなかったのですが。

好きなキャラ

私は美少女がたくさん出てくればキャラの評価を★5つ、という安易なつけ方はしたくありません。
上で書いたようなつめこみすぎでただのオールスター感謝祭みたいだったので本当は★3にしたかったのですが、キャラデザ自体は悪くなく、★4つにしたのはユウナ、クルト、アルティナの新Ⅶ組初期メンバー全員が好きになれたからです。

ユウナも最初は理不尽暴力キャラかと思いましたが、数少ない一般人目線でストレートな感情を持っててるし見た目も一番カワイイと思います。
クルトも芯が強く非常に真面目ですし、アルティナは感情の乏しいところから始まり、学園生活を通して成長していった過程が描かれ、「純正の」新Ⅶ組はみんな好きでしたので、ユウナとクルトは集中して強い装備やアイテムを与えました。実際強かったです。

閃の軌跡Ⅲユウナ

好きになれないキャラ

アッシュ:元々無礼、暴言キャラが嫌いですし、教官だろうと先輩だろうと軍の上官だろうと皇族だろうと誰かれ構わずタメ口、暴言を吐きます。そのくせ相手は一切怒らず「言われてもしかたない」とか「耳が痛いな」とかなぜかみんな寛容に彼を許してしまいます。ユーシスでさえ。
普通ならまとまる話もまとまらないわ!と思うのですが完全にストーリーの都合ですね。

ミュゼ:何か強力なバックがあるのか、緊迫した場面でも常に余裕たっぷりなのが不快。

アンゼリカ:元々ゲームや漫画のオカマ(女装)キャラやオナベ(男装)キャラの魅力が全くわからないし、いちいち街の人にも口説くのが非常に鬱陶しい。

ガイウス:相変わらず風、風うるさい。そこまで私は風に興味はない。

閃の軌跡Ⅲガイウス

以上ですがシリーズを通してプレイしてる方ならその辺りはわかった上で次回作も買うと思いますが、閃の軌跡シリーズ未プレイの方がⅢやこれから出る新作から始めるのはかなり敷居が高い作品というのは間違いありません。

ゲームの内容は間違いなく、「一見さんお断り」状態です。

尤も、キャラ同志の関係やストーリーへの理解はそこまで気にしないという方であれば全く問題ないです。(一応、あらすじも用意されてますし。)
むしろPS4で遊べるRPGを探している方なら、面白くてボリュームたっぷりの「閃の軌跡」をプレイすることを強くおすすめできます。今作からでも1作目から順にプレイすることでも。

 

閃の軌跡Ⅳ -THE END OF SAGA-(PS4版)

閃の軌跡Ⅳ -THE END OF SAGA-

大人気RPG「閃の軌跡シリーズ」が四作目で完結です。
今作は主人公のリィンの救出を目指す中、帝国が共和国への進行を目論みます。
そして「空の軌跡」や「零の軌跡」のキャラも多数登場し、壮大なストーリーが繰り広げられます。(18/12/16)
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