1987年12月20日発売(日本ファルコム)
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ソーサリアンは15本のシナリオから選べるファンタジーアクションRPG
ソーサリアン(SORCERIAN) は1987年にNECのパソコンPC8801対応ゲームとして発売された剣と魔法で冒険するアクションRPGで複数のシナリオから選んで遊ぶことができます。
その後はPC9801の他、メガドライブ、PCエンジン、ドリームキャストなど家庭用ゲーム機にアレンジを加えて移植されました。
今回はPC9801版をリメイクしたWindows対応の「ソーサリアン オリジナル」を中心にご紹介します。
ソーサリアンはシナリオの数だけ冒険の舞台が広がる
ソーサリアンのPC9801版では1枚に5本のシナリオが収録された「シナリオディスク」が3枚あり、計15本のシナリオを遊ぶことができました。
当時は媒体がフロッピーディスクだったので選ぶシナリオによってはディスクを入れ替える作業が必要でした。
ただ、このディスク入れ替えによるシナリオ選択の仕様のおかげで、後に「戦国ソーサリアン」や「ピラミッドソーサリアン」など追加シナリオディスクが発売され、それまで育てたキャラクターで新たな冒険に挑戦ができたのは当時では非常に画期的なシステムでした。
そう、「ソーサリアン」はシナリオの数だけ冒険が存在するゲームだったのです。
なお「ソーサリアン オリジナル」はPC9801版のシステム、グラフィック、サウンドを大幅パワーアップしてリメイクしたWindows対応版です。
一度クリアすれば新たに「ソーサリアンフォーエバー」のシナリオ5本も遊ぶこともできます。
また、下でもご紹介しますが「ソーサリアン・コンプリート」はプロジェクトEGGが制作し、PC9801当時のグラフィックのまま、追加シナリオなども含めた全てのPC9801のシナリオが収録されています。
ソーサリアン(オリジナル)のストーリー
その昔、世界を支配しているのは武力と魔法のみであった時代に自らの力と勇気を試すために危険な冒険にでる者たちがいた。
人々は彼らを「ソーサリアン」と呼んだ。
ゲームスタート後の準備は王都ペンタウァで行いますが、ソーサリアンに定められた目的はなく、シナリオによって舞台も目的も異なります。
冒険の舞台となるのは複雑な洞窟や人々が苦しめられてる村、時には天界、さらに他のゲームの世界にも(?)旅立ちます。
シナリオごとに依頼されたアイテムを見つけたり、標的である魔物を倒すことが目的になります。
そして特定の条件を満たせばドラゴンとの戦いに挑戦できるようになり、最後のキングドラゴンを倒せばエンディングです。
ソーサリアン(オリジナル)のキャラクター
ソーサリアンの冒険に出るキャラクターはメイキングから始まります。
「戦士」「魔法使い」「ドワーフ」「エルフ」の4種類のクラスからそれぞれ男女を選択し、最大4人で冒険に出ることができます。
クラスにはそれぞれパラメータの違いがあり、STRが0以下だと武器を装備しても攻撃ができなかったり、INTが0以下だと魔法を唱えることができないなどの影響があります。
他にもトラップの回避や町の施設の利用制限なども関わってくるスキルやパラメータもあります。
なお1回の冒険(1つのシナリオ)に出て成功しようが失敗しようが、ペンタウァに帰還すると一年が経過するのでキャラクターの年齢も一つ歳をとります。
やがてグラフィックも若者から中年、老人へと変わり、最終的には老衰してしまいます。
シナリオなどの戦闘中の死亡は魔法で生き返らせることができますが、老衰には事前に若返りの魔法をかけるか、死亡後に新たなキャラにデータを引き継ぐなどの対処が必要になります。
ソーサリアン(オリジナル)のシステム
ソーサリアンの舞台となる王都ペンタウェアでは王にレベルを上げてもらったり、お店で武器や防具を買うことができます。
時には冒険中に状態異常を招くトラップを回避する為にそれにあった技能を習得する必要もあります。
また魔法使いの家では武器やアイテムに魔法をかけてもらい、魔法が使用できるようになります。
魔法は攻撃魔法だけでなく、回復、支援、状態異常回復など様々で、冒険をする上で最低限は必須なのがあります。
魔法の生成は7つの星の組み合わせでできるのですが、ソーサリアンオリジナルはPC9801版よりもシステム面で緩和され、星の知識が加わって魔法が作りやすくなっています。
ソーサリアン (オリジナル)の15本のシナリオ
ソーサリアンオリジナルはPC98版と同様に15本のシナリオが選べます。
(当然ディスクの入れ替えは不要です!)
その中からいくつかご紹介させていただきます。
<収録シナリオ>
・消えた王様の杖
・失われたタリスマン
・ルシフェルの水門
・呪われたオアシス
・盗賊たちの塔
・暗き沼の魔法使い
・ロマンシア
・紅玉の謎
・暗黒の魔道士
・呪われたクィーンマリー号
・天の神々たち
・氷の洞窟
・メデューサの首
・囚われた魔法使い
・不老長寿の水
「消えた王様の杖」では王様に依頼された杖を探しにパズルのような階層を解きながら洞窟の奥へと向かいます。
おそらくほとんどの方が一番先に選択するであろうシナリオで、ソーサリアンの基本的な操作やパズル要素など大まかなゲーム性がわかってくるかと思います。
操作は主にジャンプとアクション(攻撃or魔法)で、気になるところは触れたり↑キー(ジャンプ)を押すことでアクションを起こしたりやイベントが起こることがあります。
非常に高い塔を上っていく「盗賊たちの塔」は長期戦になるのでそれなりにパーティーレベルを鍛えたり回復魔法の準備が必要です。
「呪われたクィーンマリーン号」では船の中で起こった殺人事件の調査をすることになります。
果たして犯人は…?
「天の神々たち」では天界へと赴き、わがままな神々の依頼を受けていくことになります。
ドラゴンへの挑戦
冒険をこなしていけば、やがてシナリオ選択で「ドラゴンとたたかう」が出現します。
ここでは他のシナリオにも登場したボスクラスのドラゴンと過酷な連戦が待ち構えキャラクターの成長が問われます。
そして最奥にいるキングドラゴンを倒せばエンディングとなります。
クリア後には…。
ソーサリアン(オリジナル)の感想
項目 | 評価(5点満点) |
---|---|
システム | ★★★★ |
熱中性 | ★★★★★ |
キャラクター | ★★★★ |
音楽 | ★★★★★ |
難易度のバランス | ★★★ |
私がPC9801のパソコンゲームにはまり始めた当時、パソコンショップで見かけたあるゲームのパッケージにはこう書かれてました。
「シナリオは15本もあり、その一つ一つが他のRPGに匹敵する内容」
何しろ30年近くも前の記憶であり、そのパッケージは現在、家の倉庫の奥に眠ってる(?)ので正確ではないですが、だいたい上記のような文言が書いてありました。
私はそのように書かれてた「ソーサリアン」に興味を持ち、購入したのです。
今にして思えばいくらか誇張表現のような気もしますが(苦笑)、ソーサリアンというゲームに出会えたので結局は当時疑わずに買って正解でした。
それまでファミコンの2頭身キャラのゲームばかりしか遊んでこなかった私にとって、ソーサリアンは重厚なパッケージから高級感があり、分厚いマニュアル、渋いグラフィック、シナリオごとに異なるお伽話のようなファンタジーな世界観などがすべて衝撃的でした。
そしてなんといっても音楽が全体的に素晴らしい!!
そこまでゲームミュージックのコレクターでもない私ですが、ソーサリアンの曲のクオリティの高さに思わずゲームミュージックのCDを買い、今でもエンコードした曲データをウォークマンに入れて聴いています。
とにかくキングドラゴンを倒し、エンディングからエンディング2へと移り替わる流れは最高です!!
ゲーム面に関しては思い出補正があるのは否定できません。
1シナリオも20分~1時間くらいで終わるものばかりです。
難易度はシナリオによっては難しいのもあり、こんなのわかるか!!ていうような謎かけもあったりします。(※個人の感想です)
他にも突然トラップにかかったりすることもあるので気も抜けません。
それでもキャラクターを成長させ、試行錯誤して謎を解くことで先に進めたり、強力な魔法を作ったりと自分で好きなように自由にプレイできるのがこのゲームの面白いところです。
ちなみに私の好きなシナリオは「紅玉の謎」と「天の神々たち」です。
ソーサリアンというゲームは基本的にはあちこち移動して次に進むためのフラグを踏んでいくことの繰り返しかもしれませんが、そこまで作業的に感じさせない一本一本のしっかりと確立されたストーリーのファンタジー世界が最大の魅力となることで、様々な舞台に乗り込み挑戦していく様がプレイヤーもシンクロでき夢中になってしまうのです。
1980年代後半、多くのパソコンユーザーが熱中してた「ソーサリアン」の世界を一度、味わってみて下さい。
私はこの作品がリメイクされ、長い年月が経った現在でも、Windowsのパソコンで遊べるというのが非常に嬉しかったです。
なお「ソーサリアン オリジナル」を遊びたい方はWindowsXP時代以前の作品なので動作環境にご注意してください。
なおOS非対応による動作が不安な方はWindows10対応版の「ソーサリアン・コンプリート」もご検討してみて下さい。
こちらはPC98時代のグラフィックのままですが、当時の追加シナリオなど全て含まれている豪華版です。
(※ソーサリアン・フォーエバーの5本のシナリオはこちらには含まれません。)
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