探偵神宮寺三郎 未完のルポ(PS版)

1996年11月29日発売(データイースト)

神宮寺三郎がファミコンの最終作から6年ぶりに次世代機で復活!!

「探偵神宮寺三郎 未完のルポ」は新宿に探偵事務所を構える神宮寺 三郎(じんぐうじ さぶろう)が活躍するシリーズ第5作目です。

 

1990年のファミコン末期に発売された前作「時の過ぎゆくままに…」から、すでにスーパーファミコンに時代が移行してたものの以降は全く音沙汰がありませんでした。

そしてようやく、1996年、次世代機抗争の中で勝ち抜いたPlaystation(PS1)とセガサターンで約6年ぶりの新作として発売されたのです!

時代的にはスーパーファミコンを飛び越え、二世代を経ての新作なのでストーリー、グラフィック、音楽、ボリュームなどファミコン版の4作品と比べると別格の作品となってます。

 

探偵神宮寺三郎 未完のルポで大幅に進化したグラフィック

オープニングにはアニメーションやCGムービーが追加され、より渋さが増した神宮寺 三郎が見受けられます。

 

背景グラフィックが実写をスキャンしてるのか、とにかくリアルに描かれています。

テキストも大きくなり、漢字も使用されてるためかなり読みやすくなりました。

 

コマンド数は減少し、アドベンチャーゲーム初心者の方でも遊びやすくなっています。

 

ザッピングシステムを搭載し、洋子や与野など神宮寺以外のプレイヤーに切り替えて同じ時間軸で別の調査が可能となりました。

 

探偵神宮寺三郎 未完のルポのストーリー

神宮寺の飲み仲間である池上 康明という男から一通のエアメールが送られてきた。
中にはメッセージと鍵が添えられていた…。

同じころ、ジャーナリストの与野 恭介はムルソン共和国のレムチャ村に滞在中に元上司の池上と再会し、別れた後帰国する。

 

後に神宮寺と与野の2人は出会うことになり、池上の残した「未完のルポ」を完成させるためお互い協力しあうことになる。

 

探偵神宮寺三郎 未完のルポキャラクター

神宮寺 三郎(じんぐうじ さぶろう)

本作品の主人公で新宿歌舞伎町に探偵事務所を構える。
クールで数多くの事件を解決してきたが、時には利益よりも心情を優先することもある。愛煙家。

 

御苑 洋子(みその ようこ)

神宮寺三郎の助手。
数か国語の語学に精通し、違った視点からの推理で多くの場面で神宮寺をサポートする優秀な人材。

熊野 参造(くまの さんぞう)

新宿淀橋所の警部。
神宮寺とは親子ほど年齢が離れているが幾たびの事件を通して神宮寺と協力し合い、気心が知れた存在。

与野 恭介(よの きょうすけ)

元上司の池上の遺志を継ぎ、未完のルポの完成を目指すジャーナリスト。
神宮寺と知り合うことで協力し合うが自身も事件に巻き込まれていく。

 

探偵神宮寺三郎 未完のルポのシステム

本作はオーソドックスなコマンド選択式のアドベンチャーゲームです。
場面に適したコマンドを選択してゲームが進行していきます。

 

捜査に行き詰まったら神宮寺は「タバコを吸う」ことでストーリーが進む場合もあります。

なお神宮寺以外を操作してる時はこの「タバコを吸う」がキャラに応じたアクションに変化します。

 

そして「未完のルポ」の最大の特徴は「ザッピングシステム」です。

物語の一定の区切りで操作(捜査)するキャラクターを神宮寺、洋子、熊野、与野から選択します。
(場面によって選択できるキャラクターは変化します。)

それにより今までの神宮寺の視点だけでなく、洋子や熊野たちがプレイヤーとなって行動し、神宮寺とは異なった各々の捜査のストーリーを進めることができます。

同じ時間軸で同時進行しますが、一定のポイントごとにまた新たにプレイするキャラクターを選択できるようになります。

 

そして一部の場面では従来のコマンド式アドベンチャーから画面が切り替わり、尾行モードに入ることがあります。

3Dポリゴンで描かれた街の中で神宮寺を操作して、周りの人と会話しながらターゲットを追うことになります。

なお、他にもゲームが進めばカーチェイスをすることもあります。

 

探偵神宮寺三郎 未完のルポの感想

項目 評価(5点満点)
システム ★★★★
熱中性 ★★★★★
キャラクター ★★★
音楽 ★★★★
難易度のバランス ★★★★★

 

個人的には神宮寺三郎シリーズで一番好きな作品はこの「未完のルポ」です!
とにかくストーリーもザッピングシステムも非常に面白いです。

 

一般人気では神宮寺と洋子の過去の出会いに触れた次作の「夢の終わりに」が一番人気があるようですが、同じザッピングシステムでも「未完のルポ」の方が行動範囲も広くストーリーが複雑に分岐し、全く違ったストーリー展開を楽しめます。

「夢の終わりに」はメインストーリーは確かに評価されるのはわかりますが、こちらのザッピングシステムは洋子とあるキャラがほとんど一緒に行動するのでキャラを切り換えたところで同じ話を辿る感じでわりとしんどく感じました。

 

ザッピングシステムは極端な話、区切りごとにすべてのキャラをプレイする必要はありません。
他の人がとった行動も合流ポイント後にはある程度は説明が入るのでいくらか理解できるようにはなってます。

一回目は基本、神宮寺を中心にクリアして、二回目以降は別のキャラクターを中心に遊んでいけばボリューム的にも十分だと思います。
分岐点ごとに複数のセーブデータを残して後から辿ってもいいと思います。

私は分岐前のセーブデータを一回一回保存し、同じ軸の全てを見てから先に進んだので進行はめっちゃ遅かったです(笑)。

全体的にルートの別れ方はわりと複雑ですが、どの場面で誰が合流するかなど紙にメモを取る程度で簡単に理解できます。

事件の詳細はプレイしてのお楽しみですが、ストーリーが長くなった分、他のキャラクターの捜査した内容がちょっとした伏線になってたり先が常に気になる展開です。

 

グラフィックは前作の時のファミコン時代の最後の作品となった「時の過ぎゆくままに…」から6年が経過したとあって格段にパワーアップされ、場面を盛り上げるBGMとあわせて「神宮寺」のハードボイルドな世界観がよく表現されています。

それに加え、UI周りの快適さやほどよい難易度も文句ありません。

ちなみにゲーム後半に訪れるある病院で流れるBGMは悪の巣窟をイメージしたかのような不気味な曲調ですごく好きです。

 

ただ、キャラクターのグラフィックデザインについてはシリーズで最下位かもしれません(苦笑)。

背景が実写のようにリアルなのに神宮寺も熊野も逆にアニメチックになったキャラデザイン。

何より、クールさが魅力の洋子さんの雰囲気が変わり過ぎて劣化している(!)
(キャラクターデザインは寺田克也氏ですが、ゲーム中のキャラは開発スタッフが描いたようです。)

そういうわけで洋子さんに関してはショートヘアとなってシリーズ一の美人といっていい「夢の終わりに」の方に軍配が上がります…。

 

ちなみに今泉はキャラが変わり過ぎ!(これが初登場ですが。)

ただ、威厳が増した以降の作品よりもこのまま親しみやすいナイトのようなキャラでよかった気もします。

 

新たな試みとして採用された尾行モードは今思うとなかなかシュール。
わざわざマップ切り替えてまで作る必要があったかは疑問ですが、時代的にも本体の性能的にもチャレンジした感があります。
町内のMAP上に当時はやり出した3Dポリゴンを用いた表現をここぞと取り入れたのでしょうが。。

なお終盤のカーチェイスは結構イライラします。(プレイしてのお楽しみということで。。)

こうしたミニゲーム要素は以降の作品では毎回のように違った形で作品内に搭載されていますが、尾行モードとカーチェイスは全く見なくなったので不評だったのでしょうか?
(私はそこまで嫌いではなかったですが。)

 

アドベンチャーゲーム好きにとって、ストーリーが面白くボリュームもあり、ザッピングシステムの採用で色々な視点から楽しめ、美しいグラフィックが何シーンも表示されるようになったのは嬉しいですね。

「夢の終わりに」も確かに名作ですが
是非、私が一番大好きでおすすめの神宮寺「未完のルポ」をプレイしてみて下さい!

 

 

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