Rance X -決戦-(Win)

2018年2月28日発売(アリスソフト)

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評
ランス10 -決戦-(Rance X)は、アリスソフトからWindows対応としてリリースされた大戦争RPGで【萌えゲーアワード2018 】の準大賞を受賞した作品です。

 

このランスシリーズは平成元年の1989年に一作目となる「Rance -光をもとめて-」がPC88やP98対応で発売され、
以降、途中でWindowsPCへと活躍の場を移し2018年に発売された本作のランス10が最終章となりシリーズの幕をとじました。

まさに平成の約30年とともに歴史に名を刻んだ大ヒットシリーズの完結作品となります。

 

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出典:Rance X -決戦-FANZA GAMES(旧:DMM GAMES.R18)

ランス10はシリーズ集大成となる最終章

ランス10の舞台と物語は過去のシリーズと同様、鬼畜主人公・ランスが活躍する同じ世界観と歴史で構成されています。

本作では過去のシリーズのキャラもほぼ総出演し、ランスとともに人間vs魔物の決戦の地へと戦いに赴きます。

 

ランス10のストーリー

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評

千年余りにおよぶ人間と魔物の拮抗は突然崩れた。

魔物界の派閥闘争でホーネット派を制したケイブリスが最強の魔人として君臨し大軍勢を率いて人間界に侵攻を開始した。

そして人類の死者数は二週間で1200万にもおよんだ。

 

この人類滅亡の危機に「リーザス王国」「ヘルマン共和国」「ゼス王国」「自由都市」「JAPAN」など各国の首脳陣が集結し対策を練るも意見が衝突する。

事態の収拾がつかない状況を見かねたランスが立ち上がる。

 

「お前ら全員、俺様の部下になれ。」

 

この一言で各国はランスに希望を託すことで共闘することになり「人×魔物」の大戦争が開戦することになる。

 

ランス10の主なキャラクター

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評
ランス
唯我独尊、傍若無人、「すべての美女は俺様のもの」と憚らない鬼畜主人公。
剣術の腕は確かで、過去のシリーズにおいて各国を救った英雄として上層部からの信頼は厚い。

 

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評シィル・プライン
ピンクのモコモコヘアーが特徴でシリーズのほとんどに登場しランスとともに行動する奴隷第一号。
少しでもランスを正そうとすると頭をぽかりと叩かれるが、心ではランスを慕っている。

 

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評【各国首脳陣】

リア・パラパラ・リーザス
リーザスの女王。優れた政治・外交能力を持っているが傲慢な性格。ランスが好きでとにかく従順。

マジック・ザ・ガンジー
魔法大国ゼスの王女。真面目で正義感が強いが故にリアとはソリが合わない。

シーラ・ヘルマン
ヘルマン共和国の大統領。温厚で非常に優しい性格で国民からも人気がある。

コパンドン・ドット
約30の独立国家から成る地域、自由都市にあるCITY都市長。生粋の商人気質。

香姫(織田香)
大陸から少し離れた島国・JAPANの国主であり織田家当主。亡き兄に代わり健気に頑張る。

 

おもに過去のシリーズの舞台となったキャラクターも魔軍に侵攻された各国に赴くことで再会し仲間に加わってくれます。
どこでどのような形でキャラクターと再会するかがランス10をプレイする上で一つの楽しみになります。

 

ランス10のシステム

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評ランス10はターン制で進行し、1ターンに4つのフェイズで構成されており、プロローグの後の2ターン目からが真のゲーム開始となります。

そして各フェイズごとにお好みのクエストを実行してゲームを進めていきます。

 

【拠点フェイズ】訓練の他に各国の支援をすることで被害人数を減少させることができます。

【作戦フェイズ】
「魔人討伐」や特殊イベントなど大規模なクエストを実行します。

【拠点フェイズ】
ランスのいるランス城で発生する日常会話や仲間との交流(エッチを含む)ができます。

 

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評【戦況報告】こちら直接操作することはなく、文字通り交戦中の各国の戦況が報告されます。

魔軍は「リーザス王国」「ヘルマン共和国」「ゼス王国」「自由都市」の4国に対し、それぞれ魔物大将軍と魔神2体ずつを率いて同時に侵攻しています。
離島である「JAPAN」は直接の被害は受けません。

 

それまでのフェイズの行動によって各国の人類側の被害状況が変化するので次ターン以降の行動の目安にもなります。

支援はもちろんですが、そのターンで魔人を討伐していればその国の被害を大幅に抑えることができるようになります。

人類側の被害が多くなるとやがてその国は滅亡してしまい、リーザス崩壊ならリア、ゼス崩壊ならマジックなど滅ぼされた国のトップとなるキャラクターが戦闘で使用できなくなり、以降その国の加わるはずのキャラすら仲間にできなくなります。

尤も初回ではどの国でどのキャラクターが仲間になるか把握することができませんが。。
過去のシリーズをプレイされてる方はある程度検討がつきます。

 

優先的にどこを守るかなども含め、戦況やターンなど特定条件でイベントも発生してルートが分岐し、別々のエンディングを迎えることになります。

 

ランス10のクエスト

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評各国の支援や魔人討伐、一部イベントを実行することでクエスト画面に切り替わります。

クエストではルート上に魔物のシンボルが配置され、接触することで編成したメンバーで戦う通常戦闘、控えの仲間が戦うオートバトルがあります。

要所要所には中ボスが待ち構えていて他にも経験値や勲章なども落ちてるルートもあります。

一部ボスでは倒せなくてもターン切れにより別ルートに進めたり、選択肢によって分岐する場所が多々あります。

まずはお好きなように進んでみてください。

 

ランス10の戦闘

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評戦闘をするには事前に出撃メンバーを編成する必要があります。

各キャラクターはカードで表現され、同じキャラでもカードによって使用できるスキルが異なったりします。

参加メンバーはカードを枠の規定の数だけ配置できますが、各国(種族)1枠までで最大7枠という制限があります。

例えばリーザス王国はかなみをリーダーとして配置したら同じリーザス枠のリアや他のリーザスのキャラは同時に配置できません。

 

特殊な支援を配置してる敵に対しては攻撃が当たらない場面も出てくるので「支援排除」のスキルを持つキャラを入れたり、稀に強力な攻撃をしてくる敵にはかなみを入れて手裏剣で行動を封じたりなど
スキルの効果や消費アビリティポイントなど周りとのバランスを考えながら相手の特性にあわせて最適なメンバーをその都度編成していく必要が出てきます。

 

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評

戦闘中のHPは参加しているキャラクターのレベルなどにより統合されて決まります。

味方の行動する順番は任意に選択でき、中央黄色のAPの数の分、キャラクターのスキルを実行できます。

使用するスキルにより消費APも異なり、同じスキルばかりを使用していくとターンが進むごとに消費量が上乗せされ、続けて使わなければ次ターンで消費数値が回復するものもあれば、戦闘終了後もリセットされず蓄積されていくものもあります。(HP回復スキルなど)

その為、ランス10はおいそれと回復スキルばかりに頼る戦闘はできない仕様となっています。

 

ただ消費量の多い強力な攻撃よりも消費0で毎回攻撃できるスキルの方が累計すると大きなダメージになる可能性もでてきます。

このようにAPの消費量や回復値を考慮して攻撃しつつ、時には支援を併用して進めて行くことが重要です。

 

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評なお、キャラクターのカードは戦闘終了後の他、ルート上の宝箱からも手に入れることができます。

このゲームの戦闘中の強さはキャラのレベルだけではなくカードの種類の多さも反映されるので、同じ強いカードを何枚も集めるより未入手のカードをどんどん集めて種類を増やすことでパーティー全体のHPや攻撃力が上がる仕様となっています。

さらに同じ国(種別)のカードが増えれば増えるほどその国のリーダーも強くなります。

 

ランスシリーズ ダイジェストムービー

ランス10 プロモーションムービー

※このシリーズは18禁です。

 

ランス10の感想<ややネタバレあり>

項目 評価(5点満点)
システム ★★★★★
熱中性 ★★★★★
キャラクター ★★★★★
音楽 ★★★★★
難易度のバランス ★★★

 

ランス10は平成の約30年間に及ぶ長い歴史とともに生きたシリーズの集大成といっていい作品となりました。

過去のキャラクターがほとんど出演するので、キャラ設定、各国の情勢なども含めると、ランス作品を一つでも多くプレイしてる方程より楽しめます。

 

ゲームは基本、人間の住む4つの国において魔軍の侵攻を食い止めながら最終的にケイブリスを倒すことが目的になります。

ただ
このゲームは周回プレイ前提の作りとなっています。

一周クリアしたくらいじゃゲームの3割も遊んだとはいえず、真のエンディングを目指すために何周かプレイすることになります。

 

え?同じことを何回もやるの?

と、思いがちですが、ランス10にはバッドエンドも含めてエンディングが14も用意されており、それらの中で何かしらのエンディングを見ることでCPを取得できます。

ランス10はクリアデータを引き継いで「強くてニューゲーム」などはできないですが、
二周目以降はゲームの開始時に獲得したCPの数だけ、特典として最初から「部隊ランク上昇+1」や「戦闘経験値増加」など選択して強化することが可能となります。

それにより、前の周より早い成長が見込め、前回倒せなかったり避けてた敵を倒して先に進んだり別のルートにチャレンジできたりなど自然と道が開けていきます。

 

ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評

だから例えバッドエンドになったとしてもエンディング後にCPが獲得できたのならゲーム展開としては前進しているといえます。

 

仮に一周目はどこかの国が滅亡したり一部中ボスを倒せなくてもゲームが続行するなら気にせず続けるべきです。

複数のエンディングを見る為には強くなるだけでなく、あえて違うやり方を進める方法も必要なので、色々なゲームの進め方を試してCPをどんどん集めることでさらに強い状態からゲームを始め、1クエストで魔人を2体倒したりすればまた違った展開が楽しめます。

それにカードもほとんどがランダムなので過去には取得できなかったものも新たに始めから取得できたりする場合もあるのでゲーム展開が新鮮に感じモチベーションが下がることはありません。

 

ただ、ボス戦、魔人戦は全体的に苦戦します。

何度も何度も負けてたまに運良くて勝てた時もあるばかりか、気を抜くと雑魚戦でも大ダメージを受けたりゲームオーバーになることもあります。

とにかくこのゲームはHP回復スキルに制限があり、ルート上の回復ポイントも限られているのが厳しいです。

 

前述した通りボスの特性に合わせて最適なメンバーを編成することは必須ですが、戦闘メンバーを入れ替えるだけで格段に楽になることもあるので、それを自分なりに試行錯誤して攻略法を発見する楽しさがあります。

例えば香姫のおだんご攻撃はほとんどのボスクラスにも毒状態にすることができ、HPが多いほどターンごとに削れる数値も格段に効果が上がるので非常に有効です。

プレイするうちに自分のお得意のスタイルを確立し、それが通じない相手には別の方法を探すために様々なキャラクターを選択するのが大変であり面白い所です。

この辺りも8作目のランスクエストと同様に、多くのキャラクターを使う必然性が考慮されてるのが非常に素晴らしいと思いました。

 

音楽面もですが、個人的には弱く感じてた過去のランスシリーズとは比べ物にならないくらい名曲ばかりが多く、とくに中ボス(chu-boss)や魔人戦の音楽が非常にカッコよくて気に入ってます。
何度も負けるのは辛いですがこれらの曲をBGMにして戦えるのでテンションは高まったままです。

 

さらになんとランス10は複数の条件を達成することで第2部が解放されます。

ケイブリス率いる魔軍との戦いを描くゲーム本編が第1部なら、この第2部は全く新しいキャラも多数登場し、新たなストーリーを楽しむことができます。

第1部をクリアするだけでもボリュームあるのにこの第2部の新展開にも本当に驚かされてしまいました…。

 

 

そういうことでランス10はストーリー、ゲーム性、音楽、ボリューム何もかもが最終章にふさわしい作品となりました。

私のようにシリーズのほとんどを購入して遊んでた人間でも最初は何をどう進めたらいいかわかりません

結論は最初は深く考えずに自由に好きなようにプレイしていいということです。

 

今までの過去のシリーズ一作品一作品は最終的にこのランス10を完成させる為のプロローグに過ぎなかったとさえ思えるほど、さすが30年以上もアダルトゲーム業界の最前線で実績を残してきたアリスソフトの作品だと思います。
そんじょそこいらのメーカーじゃこのような緻密で秀逸なゲーム性を実現する技術はもちろん、発想すらありません。

これだけ何周クリアしてもカード集めや未達成イベントの消化などゲームをプレイする熱量が燃え尽きることを知らないランス10は恐ろしく完成度の高いゲームです。

同時にこれで最後かと思うと寂しいところもありますが、メーカーが持てる力を全て注ぎ込んだという印象を強く感じられました。

 

【RanceⅩ-決戦-(ランス10)の対応OS:Windows 7 / 8 / 10】
ランス10 Rance X -決戦- ゲーム批評

 

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