2022年9月15日発売(スクウェア・エニックス)
1人でじっくり楽しみたい方に向けたドラクエ10のオフライン版
国民的人気RPG「ドラゴンクエスト」シリーズの10作目にあたる「ドラゴンクエストⅩ 目覚めし五つの種族」は、オンライン専用ゲームとして2012年8月にWii版、2013年3月にWii U版、同年9月にはWindows版が発売されました。
後にPS4やニンテンドースイッチでも発売され、月額課金型のオンラインゲームとしては十分な実績を残しています。
そしてついに最初のWii版から約10年後となる2022年9月にオフライン版が発売されました!
今まではドラクエ10をプレイしたかったけど
・他のプレイヤーとの接触や動向などを気にせずじっくりと一人で楽しみたい
などオンライン専用ゲームのプレイへ躊躇することがありましたが、そんなユーザーの願望に応えるかのように一人でじっくり楽しめる待望のオンライン版がリリースされたのです!
さらに2023年5月26日にはversion2にあたる超大型拡張ダウンロードコンテンツ「眠れる勇者と導きの英雄 オフライン」も発売されてます。
オンライン版同様に今後こうした拡張コンテンツの配信も楽しみですね。
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ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オフラインのストーリー
レンダーシアの中心に位置するエテーネ島で主人公の少年は暮らしていた。
しかしエテーネの民が代々引き継いでいる時渡りの術の力を危惧した冥王ネルゲルが魔物の大群を引き連れ村を襲撃し壊滅させてしまう。
やがて死亡した主人公の魂は謎の神殿へと飛ばされたが、同時期に不慮の事故で死亡した別種族への生き返しを受けることになる。
そして新たな種族に生命を宿した主人公の冒険が始まる…。
※ストーリーはオフライン向けにオンライン版から一部修正されています
ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オフラインのキャラクター
ゲーム開始時には人間族である主人公と兄弟姉妹のうち1人をメイキングをすることになります。
やがてゲームを進めていけば冒険中に訪れる各大陸にいる種族のキャラがパーティに加わったりゲストキャラとして主人公の冒険を助けてくれるようになります。
ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オフラインのシステム
エテーネでの出来事がゲームの序章にあたり、その後プレイヤーは転生する為に5つの種族から選択することになります。
選んだ種族によりスタートする地域や周辺の魔物も異なるだけでなく、強制的にその地域のストーリーを最初に進めていくことになるのでゲーム中に加わる仲間のタイミングも変わってくる為、中盤くらいまでの難易度が若干異なってきます。
ただどういう展開になるか初プレイではまずわからないので最初の種族はお好みで選ぶのもいいですし、不安なら事前に攻略サイトなどでチェックしておくこともおすすめです。
いずれにしろ主人公は早い段階で転職はできますし順番の違いはあれ、他の大陸(種族)のストーリーもプレイすることになります。
今作では従来の瞬間移動できるルーラの呪文はなくなり、ルーラストーンというアイテムに代わりました。
5大陸を中心とした広大な世界を縦横無尽に歩き回るのでルーラストーンは何度も何度も使用することになり、よく利用したい場所はお気に入り登録ができます。
各大陸の地域ごとにも複数のマップが分かれ、ストーリーイベントやクエストで様々な場所に訪れることになります。
一部の洞窟前などもルーラのポイントとして登録することができるようになりました。
一つ一つのマップも非常に広いですがゲームを進めていけばやがてビルボードを入手でき高速移動が可能となります。
ちなみに今作はシンボルエンカウントによる戦闘への突入となります。
冒険中に発生するクエストの数もとにかく膨大です。
ちょっとしたお使いから強敵の退治、事件の調査などなど。
ただミニマップ上でもクエストの対象となるエリアが確認できますし別画面ではターゲットとなるモンスターの生息する場所もチェックできるので本編含めて基本的に進行で迷うことはありません。
シリーズお馴染みの「転職」については主人公キャラのみが可能です。
戦士や魔法使いなどの基本的な職業は最初から選択できるので最初に選んだ種族のストーリーで出会う仲間とのバランスを考え最適な職業に就かせる方が冒険が円滑に進みます。
さらに複数の職業を極めることで「スーパースター」や「レンジャー」などの上級職にも転職が可能となります。
なお、クエストの中には各国で起こる事件がショートストーリー仕立てで複数回に分かれて繰り広げられることもあり、すべてを終えることでアイテムを入手したり専用のエンディングを見ることができます。
こうした数回繰り返すクエストは転職した職業ごとにも存在し、最終的に各職業の一人前の証を入手することを目指します。
転職した職業によって基本能力の他に装備できる武器、覚えるとくぎや呪文が異なります。
武器は1職種あたり4種類から選択することになり、武器に応じたスキルをスキルパネル上でポイントを消費することで覚えていく形となります。
(仲間キャラは職業の概念がなく武器以外にも固有スキルが複数存在します。)
レベルは職業ごとに独立しているので固有のとくぎや呪文は転職したら使用できなくなりますが、一部のステータス上昇系のスキルは転職しても反映されてるので色々な職業で育てていく方が総合的に強く育ちます。
なお、武器や防具はお店で購入する他にも発見した本から取得したレシピなどから「ふしぎな鍛冶」で素材を使用して作成することもできます。
特技を使用して火力を上げたり強弱を考慮しながら丁寧に叩いて完成させ、できのよさによって+1や+3などお店で買える同名の装備よりも若干強力なものに仕上げることもできます。
ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オフラインの戦闘
戦闘シーンでは敵や仲間の素早さに応じて個別に行動してたオンライン版とは異なり、従来のシリーズ同様にターン制で各キャラの順番が回って来た時に実行できるようになっています。
とくぎや呪文は表示されていても対応する武器や職業じゃないと使用できないのもあるので注意が必要です。
そして各キャラはテンションが溜まれば「ひっさつ」コマンドが使用可能!
必殺技の内容は職業(キャラ)ごとに異なり、強力な攻撃の他、全体回復やサポートなど様々な効果があるのでボス戦など状況に応じて使い分けることで有利に働きます。
ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オフラインのおまけ要素
今作は一定の進行後には海辺などで釣りをすることも可能となり、釣った成績に応じて入手できるアイテムも存在します。
そして従来のシリーズと同様、ゲームが進めばカジノでスロットやルーレットなどで遊ぶこともできます!
ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オフラインのムービー
ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オフラインの感想
項目 | 評価(5点満点) |
---|---|
システム | ★★★ |
熱中性 | ★★★★ |
キャラクター | ★★★★ |
音楽 | ★★★★ |
難易度のバランス | ★★★ |
私のようにゲームは他人の動向を気にせず1人でじっくりと遊びたい人にとって今回のオフライン版の発売は非常に嬉しく「いつもと同じテイストのドラクエ」でした。
最初の種族を選ぶのに悩むのも次の目的地をどこに定めるかなど考えるのも楽しかったです。
ただプレイ中による不満点があったのも事実で、それをシステム面や難易度のバランスで評価を落とす結果となりました。
元々がオンライン版をベースにして追加や修正などを施しているのはわかってはいましたが、従来のドラクエシリーズに比べたらやや違和感やテンポの悪さが目立ちました。
中にはヘビーな問題もあります。
①強い敵が判別しにくい
ドラクエが幅広い年齢層に支持されるのはゲームバランスの良さもあったと思います。
ただ、今回は好きな種別を選択してスタート地点が変化することが面白いところであるのですが、逆にそれが弊害になったのか序盤のマップから周辺のモンスターの強さがバラバラ!
スライム程度のモンスターがうろついてるかと思いきやちょっと離れたところにいくだけで強いモンスターが出てきていきなり全滅!なんてことは一度や二度ではありませんでした。
おそらくどこからスタートしても弱い敵と強い敵が出てくるようにバランスを取って配置してるのかもしれないですがモンスターの見た目以外で実際の強さの判別がしにくい。
ドラクエは同じモンスターでもシリーズによっては強さがまるで違うこともあるので「これなら倒せるだろ」と思ったら「戦うんじゃなかった!!」と後悔することが多かったです。
ご存知のようにドラクエシリーズは全滅するとお金が半分になりますが、今回は読み込み後などに発生するオートセーブのおかげで特定のチェックポイントから再開できるのでそこまで大きな被害があったわけではないですけど…。
②頻繁に発生する読み込み時間
これがもう致命的。
街や城への出入り、洞窟の進入だけでなく他マップ間での移動などなど。
ひどいのは街の井戸に入るだけでも。
あらゆる画面切り替えで10秒くらいの読み込み時間が発生します。
(※スイッチ版のみで確認)
今作はとにかくマップの数が膨大で冒険感が増したのはありますが、その代償としてはあまりにもテンポが削がれる。。
例えば
ダンジョンからリレミトで脱出⇒読み込み⇒ルーラストーンで別の地域に移動⇒読みこみ⇒少し歩いて別のマップへ⇒読み込み
このように一分間の半分近く連続で読み込み時間が発生するのはわりとストレスがたまります。
しかも今作のルーラ(ストーン)は街の近くではなく街の中に到着することがほとんどなので近道のつもりである街を目的地で選んでも街の中には用はない場合はまたすぐ外にでて再び読み込みを待たなければいけないという二重の苦痛を味わう事態が頻繁に発生します。
基本的に城は街の奥にあり、城の中も無駄に広く複雑で、ルーラで一気に外に出ようにも頭をぶつけるから一度城から街に出て読み込み、また歩いて街を出て読み込みなど非常にユーザーへの配慮が足りないとしか思えません。
連続クエストの発生場所が城の中の人とかだと地獄です。
いい加減モンスターのいない城くらい天上に頭ぶつける仕様はやめた方がいいと思うんだけど…。
③その他気になる点
細かいところでいえばまだまだあります。
・必殺技の演出のスキップの操作がわかりづらかった
・〇〇の場所にいる〇〇を〇匹倒してこいなどのテンプレ的なクエストがやたら多い
・移動中に中マップを開いてると人と会話もできないし落ちてる素材も入手できないのでその都度閉じなければならない
(これくらいUI上のアップデートで改善できそうなものだが)
・ジャンプは移動が速くなるわけでもなく段差のある場所を乗ったり下りたりできるわけでもないので意味をまるで感じない
とにかくプレイして悪目立ちするのは頻繁に発生するルーラの移動からの読み込み時間の嵐。
快適さという意味では大きくマイナスで従来のドラクエシリーズに比べて低い評価をせざるを得ませんでした…。
ルーラなんて今まで以上に使用するのに躊躇してしまい、「いかに読み込みを少なく立ち回るか」など考えて行動する自分がいやになりました。(苦笑)
以上の不満点が本当にもったいなく思いますが、それらを除けば2017年のドラクエ11以来、久々に遊べたナンバリングタイトルとして楽しめたのも事実です。
カジノもそうですが、このゲームは基本的に最初からできないことや入れないところは様々な大陸を渡り歩くことで別の方向からストーリーを進めたり特定のクエストを終わらせることで道が開かれるようになっています。
レベルはできそうなクエストからこなしていけば自然に上がっていきますので、時には武器や防具を作成したりお好みの職業に転職してスキルを覚えて強化するなどじっくりと自由にご自身のペースで遊んでみてください!
2023年5月26日にはversion2にあたる超大型拡張ダウンロードコンテンツ『眠れる勇者と導きの英雄 オフライン』が販売されました。
デラックス版には購入時からダウンロードコードが内包されています。
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