ここでは金魚の飼育に関する私の体験談を書かせていただきます。
私の実家では犬や猫などの動物を飼う習慣はありませんでした。
父親と兄はあまり関心がなく「動物を可愛いがる」という感情をあまり持たず、母は自宅の店舗経営が忙しいからです。
さらにうちは庭もない為、部屋の中を動物が歩くのも私が抵抗あったのもあります。
ただ、金魚は飼っています。
犬や猫と違って直接触れ合うことはできませんが、泳いでる姿を見てるだけでも心が安らぎます。
もちろん生き物を飼ってる以上、いいことばかりではなく大変なことや悲しいことも当然ながらあります。
次項からこれまでの金魚とともに歩んできた生活を書いてますので参考程度に読んでください。
金魚を飼うことになったきっかけ
実家が新築をした時、父が小さな池を作りました。
建て直す以前の我が家は非常にボロくスペースも有効活用されてなかったのですが、家が新しくなり広くなったことで父は家庭栽培や今でいうちょっとしたDIYに目覚めたのです。
そして隣の家の塀との間の幅約50㎝ほどのスペースに穴を掘って水のはけ口も作り、コンクリートで固めて…わずかなスペースながらそれなりにきちんとした池を完成させました。
さらに数日後にはどこからか買ってきた金魚を池の中に放ちました。
池の水を浄化させる大きなウォータークリーナーまで設置して。
急に金魚を飼いはじめたのが意外でしたが、
父の性格から考えて「金魚が好きで飼いたかった」というよりは「家のエクステリア、外装デザイン」の一部のつもりにしか思えませんでした。
それでも意外に休みの日でも世話はきちんとしてましたし私も餌をやったり掃除など手入れをして我が家のかわいいペットしてともに生活をしました。
実家に戻って来た時は金魚が5匹?
我が家で金魚を飼い始めてから数年が経過し、それまでに残念ながら何匹か死んだので新たに買い足したりしていました。
今にして思えばこの頃は生き物を飼うことの意識が父も私も甘かったのかもしれません。
途中で私が実家を出て一人暮らしをはじめてからはほとんど金魚の存在を忘れかけてました。
そして10年後に実家に戻って来た時、金魚は5匹いてそのうちの2匹がやけに大きかったのが驚かされました。
「え?この大きい2匹も金魚なの?」
母に聞いたら「買ってきたのはどれも金魚だったはず。」とのこと。
最初は5匹とも同じくらいの大きさだったらしいですがそのうちの2匹は日に日に大きくなっていったそうです。
その後とくに深い意味はなく、なんとなくYoutubeにこの金魚達が泳いでる動画をアップしたら数日後に「大きいのは鯉ですね。」とのご指摘を受けることに。
…私もなんとなくそう思ってたので文言を修正しました。
まぁ、金魚を買ったつもりが鯉も混じってたとはちょっと信じがたい話ですが。。
2017年当時の5匹を紹介します
実家に帰っきてからしばらくして父が体調を崩したり物忘れがひどくなってきたのもあり、私が父に代わって世話を引き継ぐことになりました。
ちなみに上の動画は2017年当時のものでこの5匹は今までで飼っていた金魚でも一番長く、この時でも10年位問題なく健やかに育ってきました。
これより各金魚をご紹介させてただきますが、それぞれの名前はとくに決めたことはなく私がイメージで勝手につけたものです。
(※元ネタはお察しください。)
【フドウ】
全長約40センチの一番大きい鯉。
とにかくでかいし、餌をあげようと扉を開けるとまるで山が動き出すかのごとく豪快に寄ってくる。
ただ、他の金魚を気にせず突っ込んでくる乱暴な一面が気になるところ。
【リハク】
もう一匹の鯉。
パッと見はフドウとほとんど区別がつかないが、わずかに小さく背中のオレンジの柄が塗りつぶされた感じになってる。
こちらもそれなりに乱暴なので2匹同時に餌にむかうと狭い池の途中で互いが邪魔してつっかえることがある。
なお、海の要素はとくになし。
【ヒューイ】
薄いピンクの体をベースにし、軽快で素早く泳ぐその身のこなしはまさに風。
小柄ながらわりと餌をよく食べる。
【シュレン】
炎のごとく鮮やかな全身真っ赤で体型的にも一般的な金魚に近いと思われる。
こちらも小柄だが遠くからでもすごく目立つ。
【ジュウザ】
全身が真っ黒の金魚。
小食なのか餌を撒いてもあまり近づいて来ず、太陽光が強く反射していると見えないことがある。
その時はよく目を凝らすとたいてい池の下でじっと雲隠れしていることが多い。
いつものように餌をあげるためにドアを開けるとさ~っとよってくる金魚達。
フドウとリハクは体が大きいので同じ餌でも他の金魚の何倍もよく食べます。
夏などは運動量が多いのでお腹がすきやすく、状態をみて2回あげることもありました。
ただ、餌をあげたばかりで何分も経たないうちに、部屋にいても突然「バシャ!」と大きな音が聞こえることがあります。
どうやらフドウが
「おい!餌がなりないぞ!もっとくれ!」
と催促して尾で水面をはじいて催促しているようなのです。
ただ、餌をあげすぎるのも良くないし、催促すれば必ずもらえると思われるのも困るので
無視してました。
こういうのも自宅の池で飼ってるから知ることができる経験であって面白くもあるところで、世話を毎日して観察してるとそれぞれの性格などはなんとなくわかってくるものですね。
生き物を飼うということに対し自分も大人になったのもあり、色々と心境的に変化して愛着もわくようになってました。
ただ、フドウみたいに体が大きいのが今よりも成長するとあの池もいつしか限界がくるだろうし、実際に数年前より2匹の鯉は確実に大きくなっきたのがわかります。
2匹の鯉にこの池は狭くてかわいそうだなぁ…。
これ以上大きくなったらどうしようか。
と、そんなことを稀に考えるようにもなってきました。
2019年10月13日~台風の脅威~
私の金魚との生活も約6年半が経過し、変わらず元気に成長してました。
池の掃除のほかに、稀にウォータークリーナーの水の勢いが弱まった時に中を洗浄するくらいで世話そのものは大変ではなかったです。
それだけに昔、何匹か死んでたのがどうしてかわからなかったほどで「外の池」というのも環境的にどうかと思いましたが、少なくともこの時の金魚達はこの環境に慣れて何年も逞しく生きてきたので今更違う環境に変えるのはかえって良くないのでは?とさえ思ってました。
ただ、そんな考えを文字通り吹き飛ばす悲劇が2019年10月に起こります。
2019年10月13日の日曜日、大型台風が自宅のある東京を直撃しました。
(令和元年東日本台風19号)
私は生まれてからずっと東京暮らしで小さいころは何度か大きな台風が直撃しましたが、2018年くらいまでの数年は台風が接近してきて土嚢などの準備をしても結局途中で消滅したりすることばかりで被害をほとんど受けたことがない地域でした。
が、この時は強烈な風と雨がモロに東京を襲ったのです。
真っ先に外の池の金魚達が心配になりましたが、幸いにもスペースが狭いためか隣の家の塀や自宅の駐車場の壁などに囲まれてるためかいくらか風は抑えられてたのです。
ただ念のため、風で物が飛んでなことなどを懸念して池全体をネットで覆っておきました。
現状、台風への対策としてできることはこれしかなく、実際、部屋にいても窓がガタガタ鳴ったり時には床もグラッと揺れたりするほどの規模の台風で池の様子が心配でなりませんでした。
2019年10月14日~異常事態発生~
そして台風が明けた次の14日の月曜日は体育の日で休日でした。
【2019年の12日(土)~14日(月)は世間的に三連休】
本来なら朝は寝てたいところでしたがやはり池が気になったので見に行きました。
そしてすぐに異常な状態に気づきます。
普段なら透き通った池の水が一夜にしてドロドロした緑色に変色し、ウォータークリーナーの噴出口から水が流れていなかったのです。
幸いにも鯉も金魚も無事でしたが、なぜかみんな水面に向かって口をパクパクしています。
餌をあげてもまったく食べようとせず、なんとなく苦しそうにしてるのがわかります。
おそらく台風の影響で急激に水かさが増してウォータークリーナーが正常に動作しなくなって水が浄化されず、植物プランクトンが大量発生して水が緑色に変色したと思われます。
5匹が水面で口をパクパクしてるのは綺麗な水や酸素が送られず細菌が付着するなど苦しくて間違いなく危険な状態です。
(流石に呑気に動画に残したりはしてません。)
とくに一番体の大きいフドウの辛さは一際目につきました。
「急いでウォータークリーナーを直さないと!」
今までウォータークリーナーの水の射出が止まることは何度もありました。
そういう時はたいていは循環している土台の中に溜まったゴミなどの汚れを洗浄すれば元に戻ったのです。
ただ、今回もそれでいけるかと思ったのですが…ダメでした。
どうも大元の駆動部分である本体のモーターから音がせず動いてないのです。
「えっ???完全に故障している??」
これは今までと異なりかなり危機的状況だと理解し、本体の修理が早急に必要となります。
ウォータークリーナーを買った販売店は父が覚えていて幸いにも車で15分くらいの近所なので開店にあわせて持っていきましたが、修理を依頼するにもメーカーに送るらしく時間がかかるそうです。
さらにその場でメーカーに問い合わせてもらっても休日の為、電話はやはりつながりませんでした。
「なんて運が悪いんだ!」
病院も祝日ならやってないと思ったので、
そうなると残る手段は一つしかなくウォータークリーナーはそれなりに高額でしたが緊急事態なのでもう一台買おうと決めました。
一応、できる限りの対処として出かける前にある程度汚れた水は捨てて入れ替えてたのですがその時でもまだまだ全体的な汚れが取れず、どの金魚も変わらず口をパクパクしてたので体を細菌が蝕んでる可能性はあるのでこれ以上時間かけて考えるほどモタモタしてられません。
ただ、その販売店にあったウォータークリーナーはどれを見ても土台が大きくて自宅の池に入るとは思えず、さらに本体の高さなども明らかにあわなかったので自宅の池にフィットしそうなのが全く見当たりませんでした。
おそらくですが、本体も進化やモデルチェンジを繰り返して昔とまったく同じ型のものは手に入りにくいのです。
amazonなども一瞬考えましたが、配送時期はもちろん、現物を見ないとやはり不安なのもあり断念することにしました。
見つけるまで探し回るしかない!
とにかく金魚の状態があとどれくらい猶予があるのかわからないので一分一秒を争う状況。
再度、車を出して別のホームセンターの方まで行きましたがやはり同じ型の本体は見当らなかったですが、これ以上は時間も気になったのでできる限り土台の大きさや本体の高さが同じくらいの物を購入して急いで帰りました。
「間に合ってくれ…!」
自宅に着くと幸いにも金魚はみんなまだ無事でしたがまだまだ予断を許さない状態です。
急いで新しく購入したウォータークリーナーを組み立て、池に設置しました。
やはり土台が少し大きく形が四角いからかスペース的にギリギリで池の奥にしか配置できない状態になりましたが事態が事態なので設置できるだけマシだと思いました。
そして、正常にウォータークリーナーから水が流れ始めたのですこしだけ安心出来ました。
念のため、ホームセンターでは酸素の錠剤も購入して入れましたが外に作った池に対してどこまで効果が期待できるかわからないし、あとは池がどのくらいの時間で綺麗になって金魚の状態が回復するのかを待つしかありません。
今後の対策として同じようなことがないよう、この日に買ったウォータークリーナーは緊急用の予備とすることに決めました。
やはり土台が大きくてただでさえ鯉にとって狭い池での旋回も厳しくなるので、壊れたウォータークリーナーを修理して今後も優先的に使いたかったからです。
明日、メーカーに直接持っていこう!
そう決意したと同時に(外で飼というのはこういう天候などのトラブルにも注意しなければいけない)ということを思い知らされました。
この日は人生で一番疲労がすごかったのを覚えてます。
2019年10月14日~救えなかった命~
次の日の朝、目覚ましのアラームではなく母からの電話で目が覚めました。
(え?まだ6時30分だけど?)
何事かと思ったら
「金魚ちゃん、死んじゃったよ…。」
ええ!?
あわてて飛び起きて池の方に行ったら信じられない光景が。
一番体の大きかったフドウが白目で体を横にしてピクリともせず浮かんでいたのです。
「あ、ああ…。」
自分でも聴いたことのない弱弱しい声を思わず発していました。
くそ!間に合わなかったか…。
しばらく何も考えられず手がつけられなかったです。
ただ、いつまでもこのままじゃ可愛そうだからそしてフドウの死骸を手で引き揚げることに。
その時、私の両手にずっしりと重さを感じました。
当然ながら鯉を持ち上げた経験なんて全くなく、引き揚げたことで池で見るよりもさらに大きさを感じ
(こんなに立派に成長していたんだ…。)
(あの暴れん坊がもう動かなのか…。)
と感じ涙が出そうになりました。
「…。」
「…。」
「…。」
ただ、フドウには本当に申し訳ないですが手厚く葬るのは後回しでした。
この時、自分が先にやらなければいけないのは必死に頑張ってる残りの4匹の命を救うことでした。
新しいウォータークリーナーのおかげで水がいくらか綺麗に戻ったとはいえ、まだまだ油断できません。
とくにもう一匹の鯉のリハクも体が大きいのでフドウと同様に心配です。
みんなまだまだ口をパクパクして苦しそうですが必死に生きようと頑張ってます。
急いでメーカーに行くことでしたが、幸いにも会社は車で20分くらいの距離でこちらも近く、電話したら「持ってくればその場で修理する」と言ってくれました。
もし、昨日(14日)が祝日ではなかったらメーカーも営業して修理してもらえただろうし何かアドバイスを聞けてフドウの命を救えたかもしれない
こんなことを向かう車中で運転しながら考えてました。
仕方ないとはいえ本当に悔しかったのです。
そしてメーカーに着き、壊れたウォータークリーナーを見せると状態がすぐわかったようです。
「経年劣化ですね。」
「…。」
父が最初に買ったウォータークリーナーは25年以上は使えてたのですが、今回は5年も経ってないのに壊れるとは思ってもみませんでした。
まぁ、今回は大型台風もあったから環境や状況も一概にはいえないのですが。
30分くらいでモーター部分を修理してくれました。
おそらくウォータークリーナーの故障では一番考えられる部分です。
鯉が死んでしまったことは機械は関係なく、環境によるところ。
何か誤解されてしまったようですが、少なくとも環境のせいなのは自分でも認めてるのですが、やはり現状の対策といえる収穫はありませんでした。
その後、実家にもどったら1匹の鯉と3匹の金魚達は無事でしたし、通常の泳ぎに戻りつつあったようで安心出来ました。
そして修理してきたウオータークリーナーの方を池に設置して土台の大きい新しい方は緊急時の為に倉庫にしまっておきました。
ウォータークリーナーは予備が必要
費用はかかりますが、これはうちの環境では必須ということが今回のことでわかりました。
今回は長時間池が汚れた状態だったので、すぐにその場で本体を変えてればフドウが死なずに済んだ可能性はグッと上がったと思います。
お別れの時
そしてついにフドウとのお別れの時です。
金魚が死んでしまった場合、葬る方法はいくつかあります。
・プランターに土を入れて埋める
・燃えるゴミに回収してもらう
・火葬する
正確にはフドウは鯉ですが同じ魚類として考えます。
ゴミとして捨てるなんて私の中では論外ですし他にもペット専門で供養してくれるお寺などもあるようですが、私は自分で世話した金魚を自分の近くの場所で埋葬してあげたいという気持ちでした。
うちは庭こそありませんが大きな花壇のスペースがあり、裏側は日陰になってるので最適な場所と思いここに決めました。
とにかくフドウは大きいので30分くらいかけて掘り続けたのですが、掘ってる間はずっとこの三日間のことを振り返って後悔してました…。
そして十分な深さの穴を掘り、キッチンペーパーに包んだフドウを持ち上げ埋葬しました。
最初に自宅で金魚を飼い始めてからこの2019年まで約30年。
当たり前のように一緒に生活しましたが、思いもよらぬアクシデントで死なせてしまったこと。
本当に自分自身いままで何やって来たんだと責めずにはいられませんでした。
2匹の鯉にこの池は狭くてかわいそうだなぁ…。
これ以上大きくなったらどうしようか。
以前はこういうことを考えてた私。
皮肉にも一番大きかったフドウが死んだことで意図しない形で解消されてしまいました。
ただ4匹となってスペース的に余裕ができた池はとても寂しく感じます…。
金魚は小さい子でもお祭りなどの金魚すくいで簡単に手に入れられますが決して世話は簡単なことではありません。
うちの場合、さらに「外の池」というのも今後考えなければいけないところでもあります。
ウォータークリーナーが止まったら、たとえ出勤時で朝の時間がなくても最優先で洗浄しなければいけないし、普段でも突然止まったりするのでマメな手入れが色々と大変です。
それなら「部屋の中で飼う」という考えもありますが、フドウが死んでももう一匹の鯉のであるリハクは家庭用の水槽じゃ小さすぎるのでそれこそ可愛そうなので今はまだまだ池が必要です。
自分ではわりと周りに目を向けて気になるところは迅速に対処していく習慣は仕事を通じて身に着けてたつもりですが、金魚の世話に関しては努力が足りなかったようです。
この時は本当に色々と考えさせられる時期でした。
金魚の飼育体験談 その2~2022年の2ヵ月~
自宅で飼ってる金魚の飼育体験談の2回目です。
今回は一匹の金魚が病気を発症し、思わぬアクシデントもあった2022年の夏の2カ月の出来事です。(22/08/21)
【記事を読む】