三國志Ⅱ(PC98版、Win版)

1989年12月発売(光栄)現:コーエーテクモゲームス

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出典:DMM GAMES

三國志Ⅱは初めて体験した”高額な”歴史シミュレーションゲーム

今回はコーエーテクモゲームス(当時:光栄)から発売されていたパソコンゲームの三國志Ⅱの紹介と感想です。
私はPC98版をプレイしました。

 

「三國志シリーズ」は「信長の野望シリーズ」とともに古い時代から光栄の礎を築いてきた人気シリーズです。

三國志Ⅱは光栄がパソコンから出し続けてる正式なナンバリングタイトルの二作目となり、後に発売されたニンテンドーDSの「三國志DS2」や3DSの「三國志2」などは、今回の「三國志Ⅱ」とは別作品となります。

 

 

手が届かなかった高級ブランド「光栄」のゲーム

三國志Ⅱは実在の武将が登場し、歴史に沿った設定で繰り広げられる国取り合戦を主軸としたゲームです。

光栄からは戦国時代は「信長の野望シリーズ」、三國時代は「三國志シリーズ」、他には「大航海時代シリーズ」などがあり、「維新の嵐」や「ランペルール」や単発的な作品も多数あります。

 

最初の「信長の野望」の存在を知ったのはファミコンのソフトで、なんと定価が14,800円でした。
これはファミコンのソフトでありながら本体と同じ値段!なのでいかに高額なゲームだったかがわかります。

 

光栄のゲームは総じて高額で、それだけ当時はなかなか手を出せないゲームであり、しかも「信長?歴史のゲーム?面白いの?」とジャケットの渋さもあり大人向けで自分には縁のないメーカーという印象でした。

やがて「横山光輝 三国志」の漫画を読んで三國志のゲームにも興味を持ち、後にパソコンのPC98を購入してからこの「三國志Ⅱ」を手に入れることができたのです。

その後、Windows版に移植されたの「コーエー定番シリーズ」の三國志Ⅱも購入しました。

 

三國志Ⅱの収録シナリオ

三國志Ⅱ

シナリオ1・董卓洛陽を騒がし群星起つ(189年) 
シナリオ2・群雄割拠し盛んに覇を競う(194年)
シナリオ3・劉備荊州に潜み脾肉を嘆ず(201年)
シナリオ4・曹操華北を制し天下を望む(208年)
シナリオ5・天下三分し関羽荊州を守る(215年)
シナリオ6・魏・呉・蜀鼎立し三國成る(220年)

 

シナリオの時代背景は董卓討伐に向けて各地の群雄が決起したところから、関羽や呂蒙没後の三國鼎立の時代までです。
シナリオ6を進めていくと次々と有能な武将が寿命で亡くなり寂しい気持ちになります。

個人的に孫策や呂布が君主となるシナリオ2が好きです。
比較的各勢力のバランスがいいのはシナリオ3でしょうか。

 

三國志Ⅱの目的と君主について

三國志Ⅱ君主
君主を一人選び、中国全土41国を統一する。

目的は至ってシンプルですがシナリオごとに選択できる君主が異なり、配下武将の能力や属領の数も異なります。
さらに周りに強敵がいるかいないかなど配置の有利不利もあり難易度は君主によって大きく異なります。

 

またお好みの名前で「新君主」を作成し、空いてる領地に国を構えることができ、配下も一人つけられます。
自分の名前で君主となって配下に命令し、英雄達から国を奪って中国統一を目指せすのは面白いですね!

ただ最初はコマンドを実行できる武将の人数が少ないので難易度は非常に高いです。
配置する場所によってはすぐに滅ぼされる可能性もあるのでそれなりの覚悟も必要です。

 

三國志Ⅱの戦略画面

メインの戦略画面では勢力図が色別で表現されています。

配下に命令し、内政や外交、軍事などを行い、目的に応じ適した能力の武将を使うのが基本です。
「戦争」で他国に攻め込み、勝利することで自国の領土とすることができます。

まずは「登用」で他国から武将を引き抜くなどして自軍を強化するのがベストです。

 

三國志Ⅱの武将の能力

各武将にはそれぞれ能力を数字で表しています。

知力:開発などの内政の効果や計略と戦争時の火計の成功率などに影響する
武力:戦争時の攻撃力や軍事の効果に影響する
魅力:主に登用や民への施しなど人事面に影響する

 

また武将一人一人に「寿命」も設定され、主に記録に残ってる没年に近づくと死を案じさせる演出がでてきます。
この他にも寿命同様、見えない「隠しパラメータ」が存在します。

個人個人に「相性」があり、勢力に寄って仲間になりやすかったり「野望」が高ければ寝がえりやすかったり独立したりします。

武将の性格はゲームを「史実モード」で進めていけばおおよそわかってきます。
もう一つの「仮想モード」ではその隠しパラメータがランダムに変わるので先の読めない展開が楽しめます。
劉備を裏切る関羽とか。

 

三國志Ⅱの戦争画面

三國志2
戦争画面にはヘックスバトルを採用しているので、敵の一部隊に対して最大6方向から攻撃ができます。

敵軍の総大将(君主or太守)を倒すか城を落とせば勝利となります。
一ヶ月過ぎると、勝負は来月に持ち越されますが、兵糧が尽きると負けになります。

 

基本は敵を囲んで「一斉攻撃」です。
単純に武力が高い武将は攻撃力が強く、知力の高い武将は火計の成功率が高く逆に自分はかかりにくいです。

火計は砦や城にいる堅い武将をどかす時にも役立ちます。
また自軍を木に兵を伏せることにより、知らずに近寄った敵に伏兵攻撃を仕掛けることもできます。

攻撃側も防御側もそれぞれ共同軍、援軍と協力できるので、最大4勢力が戦場で相まみえることになります。
場合によって共同軍や援軍が寝返るというとんでもないことが起こります。

 

三國志Ⅱの一騎打ち

一騎打ち

 

戦争に突入するとはじめに一騎打ちを仕掛けたり挑まれることがあります。
応じれば一騎打ちの開始です。

双方の武将の武力をHPとして10合うちあって相手を0にすれば勝ちとなります。
勝てば相手武将を捕らえることができ、そのまま戦場から離脱します。

その武将が抱えてた兵士数もまるごと手に入りますが逆に負ければ敵勢力にメリットがそのまま移動します。

 

なお一騎打ちは武力が低い方が勝てば武力が上がります

上昇値=(双方の武力の差)/2

例:武力80の武将が武力86の武将に勝つと(86-80)/2=3 となるので
武力80の武将は3が加算されて83に成長します。(2で割り切れない場合はさらに1加算されます。)

一騎打ちの勝敗は完全に運ですが、HP(武力)が多い方がやや有利です。
本当に余裕がある時や、開戦時に戦力的に不利と感じた時に一か八かでやるなど判断してください。

 

三國志Ⅱの「寝返り」

戦闘中に忠誠度の低い敵軍の武将にお金を与えると稀に寝返ってくれます。
それにより不利だった形成を一気に逆転させることも可能です。
こちらも相性だったり性格も左右されるところです。

 

 

国を作り、武将を集めて強化し、時には同盟を組み、時には裏切り、自分の自由に領土を広げていく楽しさというのを光栄の「歴史シミュレーションゲーム」が教えてくれました。
三國志Ⅱは古い作品で入手も遊べる環境をそろえるのも困難ですが、歴史シミュレーションの「入門書」として比較的わかりやすかったです。

今では別の作品ではありますが、技術の発達でニンテンドーDSや3DSのような携帯ゲーム機でも細かい文字や画面構成もきちんと表現でき、適度な価格で「三國志シリーズ」が遊べるのでプレイしたことない方は「歴史シミュレーションゲーム」に触れてみてください。

 

三國志2の感想<ややネタバレあり>

項目 評価(5点満点)
システム ★★★★
熱中性 ★★★★★
キャラクター ★★★★
音楽 ★★★
難易度のバランス ★★★

 

古いゲームのせいかサクサク進む分、一部で大雑把な印象もあります。

とにかくいえるのは一人でも多く「武装度を100にした武力の高い武将」を編成することが全てであり、それを築きあげるために「登用」を繰り返して忠誠度が低くて強い武将を他国から引き抜くことです。
登用は「魅力」や「相性」が関わってきます。

 

残念ながら本作は知力の高い武将はそこまで戦場では役に立ちません。

天才軍師・諸葛孔明よりも顔良、文醜レベルの方が戦場で活躍してくれます。
ぶっちゃけ一部の計略もそこまで大きな効果は感じられず、成功率が決して高いとはいえないのであまり使いません。

 

序盤はお金がないので内政にいくらか時間を費やしますが、武力の高い武将を武装度100にして兵を集中して編成し、ターゲットの君主が武装度を整える前に攻め込めば単騎で戦場に向かっても突撃して城を落とすことが可能です。

早い段階で城を次々と落とせば、配下も自然に増え、敵も弱体化し、国が増えるので自然にお金も困らなくなります。

ただ劉表のように配下武将に強いのがいなくても人数が多い勢力などは、終盤に残すと武装度を整えた兵士数MAXの武将がウジャウジャいますのでちょっと厄介になります。
しかも曹操軍はそれに加えて君主も配下武将も能力が高いです。

 

この手のゲームの最大の欠点は領土を国全体の半分も取れば、自軍は優良武将が充実し、あとは何も考えずに攻め込むだけなので、終盤が近づくにつれて簡単になり緊張感もなくなります。
その為、あえて曹操軍だけを攻めないで残しておくこともよくやってました。

 

最後に、寝返りについて。
呂布や魏延などは史実(演技)どおり裏切りやすい性格で、一回の戦争のうち平気で敵軍と自軍の間を行ったり来たりします。
三往復とかも珍しくありません。
こうした裏切りやすい武将を総大将にすると、寝返った時点で「負け」になります。

迷い

ただその呂布も一人で曹操軍に乗り込んで勝利できる強さがあります。
寝返るとわかってても最初から引き抜きやすいから使っちゃうんですよね。
ゲーム展開にスパイスを与えてくれてるのはいいですけどちょっとやりすぎです(笑)。

たまにふざけてるのか?と思うくらビシバシ頻繁に寝返りを繰り返します。
この寝返りの無茶苦茶さも三國志Ⅱの特徴かもしれません(苦笑)。

 

時間を忘れて何時間もプレイしてしまいますが、バランス的にやや粗い部分もあり、知力の高い武将への配慮とか、数の割に使うのが限られてる戦略画面のコマンドとかもう少し改良されればさらに面白くなると思いました。
諸葛亮や司馬懿クラスの知力の高い武将の軍はより特殊なメリットがあればなお良かったですね。

 

なお三國志Ⅱを遊ぶには、オリジナルであるPC98版は非常に入手困難で高額であり、環境を整えるのも容易ではありません。

その為、Windowsパソコンで遊びたい場合はamazonの「オンラインコード版」がおすすめです。

 

 

三國志Ⅱ

 

 

パッケージ版については「コーエー定番シリーズ」のCD-ROMになります。
ただこちらは2000年発売で対応OSも古くさらに定価より大幅に値上げされているのでご了承ください。

 

 

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